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海外サッカー 5か月前

遠藤航がリバプールで生き残るためには? クロップ監督から託されるミッション【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

遠藤航がリバプールで生き残るためには

ジェームズ・ミルナー
【写真:Getty Images】



 しかし、今回の相手はリバプールから見て格下のLASKだ。遠藤のパフォーマンスは確かに良かったが、これがレギュラー奪取への大きな説得材料になるかと言えば、やはりそうではないだろう。

 日本代表の心臓はまだプレミアリーグのプレースピードに慣れているとは言い難い。加えて中盤のライバルにはプレミアレベルの強度で戦えるうえに技術と創造性も兼ね備えたアレクシス・マック・アリスター、ドミニク・ショボスライという怪物がいる。とくに遠藤には攻撃面のクオリティーが欠けており、そうなるとレギュラー争いで彼らを上回ることは難しくなる。

 しかし、クロップ監督に信頼されていないわけではない。先日のマンチェスター・シティとのビッグマッチでクローザー起用されたのは、その1つの証拠だろう。遠藤はジェレミー・ドクをタクティカルファウルで止め、終盤にはセットプレーの場面で体を張りシュートを防ぐなど、短い時間ではあったものの与えられた役割をしっかりとこなして見せた。

 プレミアリーグではクローザー、カップ戦ではスタメンとして信頼に応えていく。まるで昨季までリバプールに所属していた鉄人MFジェームズ・ミルナーのようだが、今の遠藤がチームで生き残っていくためには、まずこのミッションをしっかりと遂行していくことが大事だ。

 さきほど遠藤はプレミアリーグのプレースピードに慣れていないと記したが、まだ初挑戦から半年も経っていないと考えれば当たり前のことかもしれない。後にプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝の立役者となるファビーニョも加入から適応までにかなりの時間を要していた。

 そういった意味でも、現状の遠藤の立ち位置は決して悪くない。ミルナーがこなしてきた仕事を受け継ぎながらプレミアリーグの舞台に慣れていけば、いずれ本当にリバプールの貴重なピースになるはずだ。

(文:小澤祐作)

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