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【遠藤航・現地取材コラム】今までとは違う新しいアンカー像。「他のチームでは…」リバプールが求めるミッション

シリーズ:コラム text by 内藤秀明 photo by Getty Images

「リスクマネジメントができている証拠」

LASK戦でプレーするリバプールMF遠藤航
【写真:Getty Images】



「(奪いに行く行かないの判断は)迷ったらいけばいい。それくらいの勢いでやらないとボールも取れないし、このチームにフィットしないと思う。そこで入れ替わられることにビビらず、一回自分が(ボールを持つ相手に)寄せることが大事だと思っているので。もし剥がされても(寄せたことで時間を作れれば)他の選手がプレスバックできたりとか、後ろのDFがボールを奪い返せたりできる。なのであまり抜かれることを恐れずに、とにかく下がらずに前向きに守備できるかが重要」

 こうした守備の判断についての考え方はあくまで原理原則。これを意識した上でさらなる発展を遠藤は意識している。「(時には)後方に下がるというより止まる選択をするべきで、それが出来るようになってきている」と明かす。

 このようにリバプールでプレーする難しさを語る日本屈指の守備的MFだが、加入から3ヶ月の時を経て、確かな手応えも感じ始めている。

「今日の試合を見ても、奪われた後に奪い返すシーンも多くなってきたと思う。自分のところで奪い返せれば、相手はキツくなるし、前線の味方は楽になって、より攻撃に出ていける。今日の試合みたいに、チャンスが多くなるのは後ろがリスクマネジメントできている証拠でもある」

「そもそも6番やセンターバックは安定感が求められると思うので、自分がいることで周りの選手が思い切って攻撃に出ていけるとか、伸び伸びプレーできるのであれば、それは自分の役割は達成できていると思う」

 遠藤が上手く調整しているのはもちろん守備面だけではない。攻撃面でも徐々に手応えを感じてきている。具体的にプレーのフィーリングが合うのは誰なのか。

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