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コラム 3週間前

「私はいくつかの弱点を知っている」サッカー日本代表には問題がある。中東両指揮官にはどう映っていたのか?【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Shinya Tanaka

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 サッカー日本代表は来年に行われるFIFAワールドカップ26本大会の出場権を獲得した。前回大会ではサプライズとも言える決勝トーナメント進出を果たし、今大会のアジア予選でも無類の強さを発揮した。上昇気流に乗っているようにも見えるが、そう簡単にはいかない。日本代表には問題があると警鐘を鳴らす。(取材・文:ショーン・キャロル)

著者プロフィール:ショーン・キャロル
1985年イングランド生まれ。2009年に来日。『ニッポンとサッカー 英国人記者の取材録』『英国人から見た日本サッカー “摩訶不思議”ニッポンの蹴球文化』の筆者。「Jリーグ Monthly」のレギュラー出演。高校サッカー、Jリーグ、日本代表など幅広く取材している。過去にはスカパーやNHK、J SportsなどのJリーグ番組出演も。

日本代表自身が世界に発信した“警告”

日本代表
【写真:Shinya Tanaka】

日本には問題がある。


 確かに、森保一監督率いる日本代表は、先日のインターナショナルマッチウィークでバーレーン代表に2-0で勝利し、サウジアラビア代表とは0-0で引き分けることで、今大会最速でFIFAワールドカップ出場を決めた。しかし、間違いなく問題は存在する。

 その問題とは、来年カナダ・メキシコ・アメリカ合衆国で開催されるワールドカップ本大会において、もはや日本代表はどの相手からも侮られることがないということである。そして皮肉なことに、この状況を招いたのは、日本サッカー史上最大の勝利だった。

 カタールでのドイツ代表やスペイン代表との劇的な逆転劇によって、日本サッカーは間違いなく多くのものを得た。だがそれと同時に、世界に「日本はもはや軽視できない存在である」という警告を発することにもなった。そしてその評判は、ヨーロッパで活躍する日本人選手たちの成功と、アジア予選での圧倒的な強さによって、さらに強固なものとなっている。

 勝利したドイツ代表戦とスペイン代表戦の間に挟まれたコスタリカ代表戦を0-1で落としたという3年前の事実が、現実の縮図として既に表されていた。格下とされる相手が守備的に徹して日本代表を封じ込めようとする傾向は以前から見られたが、今後はより力のある国々でさえも、同様の戦術を採用する可能性が高まっている。

 火曜日に埼玉スタジアムでサウジアラビア代表が採ったアプローチを思い出してみよう。

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