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コラム 8か月前

「私はいくつかの弱点を知っている」サッカー日本代表には問題がある。中東両指揮官にはどう映っていたのか?【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Shinya Tanaka

「日本代表と引き分けるなら、すぐにサインしていたよ」

 エルヴェ・ルナール監督が率いた2022年大会で、サウジアラビア代表は当時優勝候補のアルゼンチン代表を2-1で逆転勝利し、世界を驚かせた。そして彼らも歴史的にアジアサッカー界の強豪として、ワールドカップ出場は最低限の目標とされる国だ。


 そんな彼らは本大会出場権が与えられる2位以内を巡る争いで、ここに来て浮上してきたオーストラリア代表に後れを取らないためにも、勝ち点を必要として埼玉スタジアムに乗り込んできたはずだ。それにもかかわらず、試合開始から終了まで、攻撃にほとんど関心を示さず、引き分け狙いに徹しているように見えた。

実際、試合後の会見でルナールは、チームの野心の欠如について質問されると、明確にこれを認めた。

「日本に来たときは、オープンに戦うことはできません」と彼は言った。「注意が必要です。なぜなら、日本はとても良いチームだからです。

「守備面では、プランは良かったと思います。攻撃面では、スペースを使いたかったのですが、攻撃の部分ではうまくいきませんでした」

「でも、もし昨日あなたが『明日、日本と0-0で引き分ける』と言ったなら、私はすぐにサインしていたよ」

 もちろん、サウジアラビア代表と世界の他の最高レベルのチームの間にはクオリティの差がある。しかし、そうした国々が、日本代表がカタールでスペイン代表やドイツ代表、そして翌年のヴォルフスブルクで再びドイツ代表に対して何をしたかを見てきた以上、彼らがそれを記録していたであろうことは確かであり、もしそれが日本代表に敗れるリスクを避ける助けになるのであれば、北米で同様の戦術を採ることをいとわない可能性は十分にある。

 バーレーン代表のドラガン・タライッチ監督も、ルナール監督と同様に、3月20日の試合で自チームが敗れた後、森保と日本に賛辞を送ったが、日本代表のプレーにおいて突くべき箇所があることをほのめかした。

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