銀行員から世界有数のスポーツ・ディレクターへ
現在53歳のベルタはイタリアのブレシア出身。前任のエドゥのように、SDを務める人物は選手や指導者出身であることが多い。しかし、彼にはそういった経歴がなく、20代半ばまで「銀行員」だった。
2001年ごろから地元の若手実業家トンマーゾ・ギラルディが会長を務めるカルペネードロ(当時8部)というセミプロチームの経営に携わると、卓越したスカウティング能力を発揮したそうだ。チームとしては6年連続での昇格、ベルタが運営に関わってからは4年連続で昇格を果たし、2005年にはプロリーグであるセリエC2(4部リーグ)まで到達した。
2007年1月にギラルディが破産したパルマの経営権を獲得すると、同時にベルタも同クラブのSDに就任。ここから本格的にプロクラブでのキャリアをスタートさせ、2009年から2012年まで所属したジェノアでは短期間だが、現アタランタ監督のジャン・ピエロ・ガスペリーニとも仕事をした。
2013年にテクニカル・ディレクター(2017年にSDに昇格)としてアトレティコ・マドリードに招聘されると、優秀なスカウティングとイタリア時代に築いた多彩な人脈で多くのビッグディールを成立させる。
アントワーヌ・グリーズマンやヤン・オブラク、ルイス・スアレスといったタイトル獲得に貢献する選手たちの補強に携わり、2024年夏の移籍市場まで同クラブの移籍における重要な役割を担った。