“脱サウジ組”がホットなのは選手以外も…

【写真:Getty Images】
サウジアラビアを離れて成功を収めているのは選手だけではない。チームを率いる監督も注目すべき存在だろう。
「解任」、「契約満了」、「引き抜き」、それぞれ離れた理由は異なるが、再び欧州で評価を高めている人物もいる。
その代表例が、今季のプレミアリーグでCL出場権争いを演じているノッティンガム・フォレストのヌーノ・エスピリト・サント監督だろう。
トッテナムを成績不振で解任されてからアル・イテハドで指揮を執っていた彼は、世界的に注目を集める表舞台から離れたことで評価を下げていた。欧州復帰後、下位に低迷していたチームを残留に導くと、今季はプレミアリーグの台風の目となる大躍進を果たし、改めて評価される事となった。
昨年12月にウォルバーハンプトン・ワンダーランズの監督に就任したヴィトール・ペレイラも同様だろう。アル・シャバブから引き抜いた際の期待値はそこまで高くなかったが、第29節からは6連勝を達成。19位で引き継いだクラブを見事残留に導いた。
現在サウジアラビアのクラブを率いる監督にも注目の存在がいる。特にアル・アハリを率いてACLE優勝に導いたマティアス・ヤイスレは、今後ヨーロッパに戻って成功を収める可能性を秘めている人物だ。
若くしてホッフェンハイムで引退した同氏は、レッドブルグループで指導者キャリアをスタート。ドイツ代表監督のユリアン・ナーゲルスマンやシュトゥットガルト監督のセバスティアン・ヘーネスと同じく、オーストリア代表監督のラルフ・ラングニックの愛弟子であり、その手腕は高く評価されている。
選手・監督ともに優秀な人材が揃うサウジアラビアの市場は、欧州や南米など他のリーグから見ても魅力的だ。高額な年俸が必要となる可能性もあるが、フィルミーノやアリオスキのような、半分余剰戦力となっている選手たちは引く手あまただろう。
直近ではタリスカやヌーノのような成功例が続いており、サウジアラビアを離れる人材に狙いを定めることが、今夏以降のトレンドになるかもしれない。
(文:安洋一郎)
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