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コラム 4週間前

「こだわりはない」サッカー日本代表、佐藤龍之介はすでに活躍をイメージする。18歳が挑む“極めて少ない例”の壁【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

かつてスタンドから見ていた「憧れの選手」

 仲間たちの一挙手一投足をスタンドで見つめていた1人が、今回初招集の18歳・佐藤龍之介だ。FC東京時代の大先輩・長友佑都、6月1日のJリーグの試合後、一緒に移動してきた鈴木淳之介、そしてパリ五輪世代のFW細谷真大らとどのような意見交換をしたのかは分からないが、負けん気の強い若武者のことだから、「次のインドネシア戦は自分が出て日本を勝たせるんだ」という闘志を燃やしたのではないか。

 思い起こせば、6年前の2019年6月シリーズで招集された久保も、18歳になったばかりで初陣のトリニダード・トバゴ戦を迎えたが、この時はベンチ外。直後のコパ・アメリカで共闘することになる川島永嗣、岡崎慎司の両ベテランとともにスタンドから代表メンバーの戦いぶりを注視した。そして、続くエルサルバドル戦の後半途中に初キャップを飾り、そこから紆余曲折を経て、絶対的主力の1人へと飛躍を遂げていったのである。

「久保さんとの接点?ないです。僕が中1だった2019年にFC東京が強くて、毎週のようにスタジアムに行ってみていた時に活躍している選手だった。憧れの選手でもありますし、(一緒に代表でやれて)嬉しい気持ちです」と佐藤は湘南戦後に息を弾ませていたが、まさに今の彼は当時の久保と同じような立ち位置にいる。仮に18歳で最終予選出場となれば、史上初であり、久保越えを果たすことになる。その重みを噛み締めながら、インドネシア戦での代表デビューを狙っていくしかない。

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