「持ってるものも全然違う」佐野海舟を称賛したサッカー日本代表の先輩
Jリーグでプレーしていた頃から、彼のボール奪取力やデュエルの強さに定評があった。昨夏にマインツ移籍が決まった際、代表ボランチの先輩にあたる山口蛍も「僕が23歳の時と今、23歳の彼とでは全然、能力的にも向こうが上だと思うし、持ってるものも全然違う。彼はボールを取る能力、運ぶ能力もすごく高いし、向こうでも十分できると思います」と太鼓判を押していたほどだ。
直後の不祥事で選手生命の危機に瀕したこともあったが、本人はそれを跳ねのけるべく、サッカーに集中。ドイツ・ブンデスリーガ1部で今季リーグ戦全34試合に先発。デュエル勝利数4位、シーズン総走行距離で1位という目覚ましい成果を残した。
その能力の一端はオーストラリア戦でも発揮され、即時奪回や攻守の切り替えの起点になる場面も見られた。が、やはりマインツと日本代表は違う。バランスの取り方や自身が攻撃に出ていくタイミングを測りかねたところもあったに違いない。
本人も6月シリーズ合流直後に「マインツでやったことには自信は持ってますけど、マインツでできていることをここでこのままやっていいわけじゃない。個で出していいものと、バランスを取ってを合わせていくことをしっかり見極めながらやれればいいかなと思います」と話していたというが、そんな迷いが前回の一挙手一投足から窺えた。