全選手活躍で最終戦を飾る
インドネシア代表の5-4-1ブロックが、オーストラリア代表のそれと違っていたのも確かである。徹底して低い位置をキープしたオーストラリア代表と違い、インドネシア代表は早く2失点したせいか、MFが前進してプレスしていた。MFを引き出して、MFとDFの間にスペースを空けたい日本代表としては手間が省けたといえる。
バイタルエリア攻略ですべてが好転した日本代表は、新戦力も含めて活き活きと特徴を発揮していた。
もはやこのレベルの相手なら別格の久保、鎌田は言うに及ばず。三戸舜介は鎌田の先制点をアシスト、28分には鋭いシュートを放ち、55分の4点目は鈴木淳之介からのパスを中村敬斗にフリックして渡し、攻め込みの起点となった。
町野はトップでポスト役をこなしながらゴール前へ必ず顔を出し、4点目の森下龍矢のゴールをアシスト。久保のふわりと浮かすスプーンパスを沈めて5点目を決めた。
3バック左で先発した鈴木淳之介は持ち前のキープ力、冷静さ、フィード力を発揮。11分に柔らかいロブを町野の頭上に合わせ、守備面でも強さをみせていた。町田浩樹、伊藤洋輝がライバルになるポジションだが、競争に参加できる能力をみせていた。
すでに常連組の瀬古歩夢、高井幸大、GK大迫敬之も安定したプレーぶり。交代出場した中村敬斗はもちろん、佐野航大、佐藤龍之介の初キャップ組ものびのびとプレー。俵積田晃太の得意の高速ドリブルから細谷真大の6点目で締めくくり、出場選手全員が活躍という形での快勝となった。
(文:西部謙司)
【関連記事】
英国人が見たインドネシア戦「久保建英と鎌田大地は…」「高井幸大は欧州に…」「大迫敬介は昼寝して…」
サッカー日本代表、インドネシア戦の全選手パフォーマンス査定
なぜ呼ばれない!? 6月シリーズでサッカー日本代表に招集したかった5人