予想外だった復帰「それがあったからこそ、ここに呼ばれた」
代表デビュー当時は23歳。鹿島で最終ラインを担っていたが、その約半年後のロシアW杯直後にベルギー1部のセルクル・ブルージュへ移籍している。そしてコロナ禍の2021年1月にフランス1部のニーム・オリンピックへ赴いた。森保監督もこの頃は欧州組の1人だった彼を重視しており、出番も与えていた。
ところが、ニーム移籍からわずか半年でチームが2部に降格。そこからの1年半は2部でのプレーを強いられる。最初のシーズンは試合に出ていたからまだよかったが、W杯カタール大会を直後に控えた22/23シーズンに突入するや否や、出番を失い、最終的にW杯メンバーから落選。2023年頭に鹿島復帰を決断し、現在に至っているのだ。
最後に出場した代表戦は2021年9月のカタールW杯最終予選初戦・オマーン代表。日本が0-1で苦杯を喫した雨中の苦いゲームだ。あれから4年近くが経過し、植田は30代に突入。「代表復帰はもうないだろう」という見方もされていたが、鹿島でのハイパフォーマンスが評価され、このタイミングで呼び戻されることになった。これは本人も予想外だったという。
「代表は全然意識してなかったですね。全力で鹿島でのプレーに取り組んできた成果だと思うし、それがあったからこそ、ここに呼ばれることができたんだと思います」と本人は7日の韓国初練習の後、神妙な面持ちで語っていた。
とはいえ、肝心の鹿島が直近3連敗で、ここまで守ってきた首位から陥落。一気に4位まで落ちてしまった。そんな難しい時期だけに、植田自身の中ではどこか不完全燃焼感もある様子だ。