「貴士と和季がいると面白いフットボールができる」
「トータルで2カ月半くらい休みました。先に左のふくらはぎを2カ所痛めて、治って復帰して今度は右を1カ所という感じで。僕が怪我をしている間は連戦が続いていましたし、選手が必要な時期にチームを助けられなかった悔しい気持ちともどかしい気持ちのなかで、ようやく怪我なくできるようになりました」
一日千秋の思いで復帰を待っていた清水の秋葉忠宏監督は、初ゴールを決めた小塚を高く評価した。
「このチームで(乾)貴士とともに、技術とアイディアと判断力を一番もっている選手であり、さらにフロンターレや韓国など、いろいろなチームをへて戦う姿勢や走る部分も兼ね備えた素晴らしい選手が、いよいよ万全になって帰ってきた。貴士と和季がいると前半のような面白いフットボールができると思っています」
一方で両足がつった小塚を60分でベンチへ下げた展開に「もっと状態を上げて、彼がもっているポテンシャルやアイディア、技術をチームの勝利のために発揮してほしい」と注文するのも忘れなかった。後半に2ゴールを奪われ、神戸に逆転負けを喫した試合後。指揮官の熱い檄に小塚も思いをシンクロさせた。
「さらに状態をあげてもっと長い時間プレーできるようにしていきたい。これまで満足にプレーできていなかった分、こうしてチャンスをもらっているなかで、それ(監督の評価)をピッチで証明していきます」
大好きな番号として「14」を掲げ、新潟や山口、大分では実際に背番号14を背負ってきた。憧れでもあるレジェンド中村憲剛氏が「14」を象徴としていた川崎では「もう背負う気はなかったですね」と苦笑した小塚はいま、13シーズン目を迎えたプロのキャリアで初のひと桁となる「8番」を背負っている。
「(14番への思いは)年を取るうちにどんどん薄れていっていますし、すでにつけている選手がいれば僕から言うことはないですね。その意味で、初めて(ひと桁を)つけてみよう、という感じでした」
昨シーズンから「14番」をつける山原のアシストで、清水での初ゴールを決めたのも何かの縁なのか。怪我の連鎖を乗り越えてようやくスタートラインに立った小塚は、現時点で11位の清水を少しでも上位でフィニッシュさせるために、残り6試合となったJ1の戦いでゴールに絡むプレーを貪欲に追い求めていく。
(取材・文:藤江直人)
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