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「『点増えるよ』と言われてた」鹿島アントラーズ、松村優太が体現した指揮官からの助言。頭をよぎった「何かあるんじゃ…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Noriko NAGANO

 2025明治安田J1リーグ第37節、鹿島アントラーズは敵地で東京ヴェルディと対戦した。2位転落の恐れもあった中で、チームに白星をもたらしたのが松村優太。0-0で迎えた74分に、値千金の決勝ゴールを奪っている。実は、このタイトルに近づく一撃には、鬼木達監督からのある助言が隠されていた。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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「常勝軍団だったり、タイトルホルダーって言われていますけど…」

「常勝軍団だったり、タイトルホルダーって言われていますけど、自分が入ってからはタイトルはおろか、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)さえも出ていない。『ここまで(タイトルが)遠いのか』という感じですね。

 9年取れてないうちの6年、自分がいるわけで、かなり関わっていますし、自分たちが歴史を作っていくしかない。新しい鹿島をまたここから作っていく段階で、タイトルっていうのは一番の良薬だと思う。必ずこのチームで勝ち取りたい」

 心強いのは、彼に大舞台の一発勝負で勝った経験があること。

 2020年1月の全国高校サッカー選手権決勝で、青森山田に一時は2点をリードされながら、静岡学園は3点をひっくり返して全国を制覇した。

 その時の静学の10番が松村。強気のドリブル突破がミラクル逆転劇を生み出したことを、本人も決して忘れてはいないだろう。

「高校とプロでは全然違いますし、トーナメントとリーグでも違うけど、次、決勝戦と捉えてやるべきだと思っています。

 プロのタイトルはまた違う味だろうし、それをとることが自分のこれからのキャリアに向けて非常に大事なこと。必ず取りたいです」

 こう語気を強めた松村。彼にはマリノス戦で6年前のように異彩を放ってほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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