
セレッソ大阪の香川真司【写真:元川悦子】
セレッソ大阪に復帰して今季で4年目を迎える香川真司。百年構想リーグという特殊な舞台で、彼が向き合っているのは目の前の結果だけではなく、クラブの体質そのものだ。36歳のベテランは、その役割を自覚しながら、セレッソを「勝てる集団」へと変えるべく、真正面から挑もうとしている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
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百戦錬磨の香川といえども…

セレッソ大阪の香川真司【写真:Getty Images】
昨季のJ1・57失点というのはワースト3位タイ。イージーなミスや集中力を欠いた失点が少なくならない限り、セレッソが頂点に立つのは難しい。
かつてボルシア・ドルトムントやマンチェスター・ユナイテッドで数々のタイトルを手にしてきた香川なら、厳しい現実をよく分かっているはず。
堅い守備、高度な意思統一を持続できるように、彼が率先してチームメートに働きかけていくべきなのだ。
その前段階として、香川は厳しいポジション争いに勝たなければならない。
彼は4-1-4-1のアンカーかインサイドハーフ、もしくは4−2−3−1のボランチを主戦場としているが、昨季のキャプテン・田中駿汰、アカデミー育ちの喜田陽も調子を上げていて、指揮官は2人をファーストチョイスと位置づけている様子なのだ。
それ以外にも、SC相模原から復帰した大迫塁、最終ラインを兼務する吉野恭平、AFC U-23アジアカップ サウジアラビア2026に参戦していた石渡ネルソンもポジション争いに参戦。百戦錬磨の香川といえども、確実に試合に出られるとは限らないのである。
しかも、百年構想リーグは、昇降格のない特別大会。もちろんクラブもパパス監督も優勝を目指しているが、次のシーズンにつなげるという意味では若い選手にチャンスが多く与えられる可能性も否定できないのだ。
「僕自身も厳しさを持って…」
セレッソ大阪の香川真司【写真:Getty Images】
「ベテランにとっては厳しい大会になるかもしれない」というのは、他クラブの30代選手たちも口を揃えていること。
彼らの多くが半年契約で、“見極められる立場”にいる。香川の契約期間は未知数だが、今回の百年構想リーグで「26/27シーズン以降も戦力になるかどうか」を試されるのは間違いない。
だからこそ、本人は「夏以降は考えていない」という発言をしたのだろう。この半年間で持てる力の全てを注ぎ、個人としてもチームとしても大きな成果を残すことが、セレッソでのキャリアをより長く、豊かなものにすることになる。
そうなるためにも、2月7日のガンバ大阪との大阪ダービーから一気にスパートをかけていくべきだ。
香川がインサイドハーフやダブルボランチでプレーすれば、得点アシストに関与することは十分可能。アンカーだったとしても巧みなゲームコントロールで見る者を魅了できるに違いない。
「アンカーでやる時はどうしても抑え気味にやらなきゃいけない。中盤でビルドアップとかがメインになりますけど、チームを前向きな方向には導ける。僕自身も厳しさを持ってやっていきます」
毅然とした表情でこう語った香川。2026年はセレッソ、そして彼自身とって最高のシーズンになるように、もっともっとギアを上げていってほしいものである。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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