
松本山雅FCの深澤佑太【写真:Getty Images】
再浮上を懸けた信州ダービーで、松本山雅FCは思わぬ壁にぶつかった。変貌を遂げたAC長野パルセイロの強度とロングボール戦術に苦しみ、主導権を握れず連敗を喫した。露呈した課題と向き合う中、キャプテンの深澤佑太が示す打開への道筋とは。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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明治安田J2・J3百年構想リーグ・地域ラウンドEAST-B第12節
松本山雅FC 0-1 AC長野パルセイロ
サンプロ アルウィン
再浮上を懸けた信州ダービー

松本山雅FCの石崎信弘監督【写真:Getty Images】
過去に5度の昇格経験を持つ名将・石崎信弘監督を招聘し、明治安田J2・J3百年構想リーグに挑んでいる松本山雅FC。反町康治監督(現清水エスパルスGM)時代の2015年と2019年に2度のJ1昇格を経験したクラブも、2022年からJ3に落ちて5年目。26/27シーズンのJ2復帰は絶対に達成しなければいけない必須テーマなのだ。
そこに向かって目下、新たなチーム作りを進めているが、その過程の特別大会は悪くない結果を残している。
序盤こそ2連敗スタートとなったが、格上のジュビロ磐田や北海道コンサドーレ札幌に勝利。3月14日のAC長野パルセイロとの信州ダービーも5−0で圧勝するなど、いいペースで勝ち点を積み上げていた。
しかしながら、4月18日に札幌に1−2で苦杯を喫したことで、勢いに陰りが見え始めた。不穏な空気を断ち切るためにも、まずは4月26日のホームでの信州ダービーで勝って再浮上のきっかけをつかまなければならない。
サンプロ アルウィンに1万3329人というJ1並みの観衆が詰めかける中、彼らは強い意欲と闘争心を持って、今季2度目の長野戦を迎えた。
相手も4月頭からベテラン指揮官・小林伸二監督体制に移行し、守備強度が一気にアップするなど、チーム状況がガラリと変化している。
松本にとっては難敵以外の何物でもなかったが、実際に試合が始まると、長野のアグレッシブなプレスは想像以上に迫力があった。
「もっと積極的に仕掛けることができれば…」

信州ダービーに臨んだ松本山雅FCのイレブン【写真:Getty Images】
しかも、松本の中盤の守備をかいくぐるべく長いボールを多用。進昴平、吉澤柊というスピード系FWに前線を走らせる形でかく乱してきたのだ。
そうなると、松本はなかなか主導権を握れない。
愛媛FCから今季加入し、キャプテンに指名されたアンカー・深澤佑太も「試合前からすごく難しいゲームになるのは分かっていましたけど、前半は相手がしてくるサッカーに付き合ってしまった。
自分たちがもっと積極的に仕掛けることができればよかった」と反省の弁。確かに前半は支配率もシュート数も相手を下回っただけに、危機感は募ったことだろう。
「しっかりつなごう」という石崎監督の指示を受けて、迎えた後半。松本は序盤から最前線の加藤拓己、シャドウの澤崎凌大らが惜しいチャンスを迎える。だが、決め切れないまま時間が過ぎていく。
そういうスキを小林監督率いる今の長野は逃さない。
65分に右コーナーキック(CK)からのワンチャンスを活かし、長谷川隼が確実に仕留め、敵地で先制。松本にプレッシャーをかけたのである。
劣勢に陥った以上、松本も巻き返しを図るしかない。
ベンチの井上愛簾、藤枝康佑、田中想来ら持ち駒を次々と投入して得点を狙いに行ったが、強固な守備をこじ開けられない。
結局、0−1のままタイムアップの笛。松本は手痛い連敗を喫し、EAST-Bで6位。同じJ3の3位・FC岐阜にもポイントを離されるなど、ひとつの壁にぶつかった状態だ。
深澤佑太がチームに必要だと感じること「そこを修正できないと…」

松本山雅FCの深澤佑太【写真:Getty Images】
「リーグを1周してみて、2周目になると対策されて、僕たち相手に割り切って蹴ってくる相手が増えてきたと感じます。そこを修正できないと、勝ち試合に持っていけない。チームとしてコンパクトさを作っていくところは必要だと思います。
それ以前に、今日の前半は監督も言っていたんですけど、ファーストボールのところでほぼほぼ競り負けていた。後半は後ろ3枚が修正して強気でやってくれましたけど、よりコンパクトな陣形を作って行かないとダメかなと。僕が真ん中にいるので、チームにしっかり伝えていかないといけないと思います」
深澤は神妙な面持ちでこう語ったが、長いボールを蹴り込んでくる相手に対応できないようでは、夏に開幕するJ3でも苦戦を強いられるだろう。
今のうちにその課題が見つかったことを前向きに捉え、改善しながら結果を追い求めていくしかないのだ。