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「治った今もちゃんと使えてない」鹿島アントラーズ、松村優太が口にしたもどかしさ。頭ではわかっている。でも「出せていない」こと【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Noriko NAGANO, Getty Images
松村優太 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズでプレーする松村優太【写真:Getty Images】



 鹿島アントラーズが首位を奪還した。水戸ホーリーホックに敗北を喫したあと、暫定的にFC東京へトップの座を明け渡したが、“常勝軍団”は2日足らずで自分たちのポジションを取り戻した。PK戦の末にFC町田ゼルビアとの接戦のあと、松村優太は自身の役割と責任感を熱く語った。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]

「90分で終わらせるべき試合だったので…」

FC町田ゼルビアMFナ・サンホ
鹿島アントラーズ戦でスタメン出場したナ・サンホ【写真:Getty Images】

「今日の僕はクロスを結構、引っかけているシーンがありましたけど、あそこではコーナーを取れて、得点につながった。それが最低限の仕事。『自分は攻撃の選手』っていうのを忘れてはいけないと思います」

 そう語る松村も意地を見せたが、それが貴重な先制点につながったのは朗報だ。

 けれども、わずか3分後にテテ・イェンギに失点を許し、詰めの甘さを露呈した。

「今日はそこに尽きると思います。1−0になって、自分たちがまた追加点を狙いに行く段階で早々と失点してしまった。90分で終わらせるべき試合だったので、チームとして反省しないといけないと思います」と背番号27は悔しさをにじませた。



 そのあと62分に知念慶、チャヴリッチとともにピッチを去る。
 
 以降はベンチから戦況を見ていたが、試合は1−1のままPK戦に突入。

 PK戦では名手・早川が下田北斗、前寛之のミスを誘い、4−2で勝利。鹿島の鈴木満アドバイザーが「Jリーグ30数年間の中で鹿島はPKの勝率がかなり低かったけど、今日久しぶりに勝った」と喜んでいたが、苦手のPKを制して首位に再浮上。鬼木監督も選手たちもとりあえずはホッとしたことだろう。

 松村もPK戦に競り勝てたことへの安堵を明かし、これからの戦いに向けて力を込める。

「自分がその筆頭になって引っ張っていけるように」

鹿島アントラーズ・鬼木達監督
指示を出す鬼木達監督【写真:Getty Images】

「僕が鹿島に来てから初めてPKで勝ったと思う。今年も2つ負けていましたし、全然勝てなかったので、ようやく1つ勝てたのは大きいですね。今季のレギュレーションでは勝ち点1違う。昨年は勝ち点1差でリーグ優勝したことを考えると、大きな勝ち点2だったんじゃないかなと思います。

 FC東京も追い上げてきていますけど、ここからは優磨君とレオに対するマークもさらに激しくなると思うし、僕を含めて2列目の選手がもっと脅威にならないといけない、自分がその筆頭になって引っ張っていけるようにしたいです」



 ここから水戸、横浜F・マリノス、ジェフユナイテッド千葉、FC東京と試合が続くが、彼としてはいち早く今季初ゴールがほしいところ。

 ケガ明けの違和感を乗り越え、もう一段階、大きく飛躍した松村優太の姿を見る者に焼き付けてもらいたいものである。

(取材・文:元川悦子)

【著者プロフィール:元川悦子】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。

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【了】
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