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鈴木優磨も認める“ギラつく目”。鹿島アントラーズ、吉田湊海が挑む強力攻撃陣との競争。「自分はゴールを取るのが武器」【コラム】

鹿島アントラーズ、吉田湊海
鹿島アントラーズの吉田湊海【写真:Getty Images】



 鹿島アントラーズユースでゴールを量産する17歳FW吉田湊海が、ついに今季初めてトップチームでベンチ入りを果たした。プレミアリーグ得点ランキング首位を走るストライカーは、ユースの試合ではなく、横浜F・マリノス戦が行われる日産スタジアムへ向かっていた。鬼木達監督から「点を取って来い」と送り出された高校3年生は、憧れの鈴木優磨と同じピッチに立ちながら、自らの未来を切り開こうとしている。(取材・文:藤江直人)[1/2ページ]

明治安田J1百年構想リーグ・地域ラウンドEAST第16節
横浜F・マリノス 1-1(PK4:5) 鹿島アントラーズ
日産スタジアム

プレミアで得点を量産する吉田湊海が掴んだチャンス

吉田湊海 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズの吉田湊海【写真:Getty Images】

 4月に開幕した「高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2026」で得点ランキングのトップに立つ、鹿島アントラーズユースの吉田湊海(みなと)が、こつ然とベンチ入りメンバーから姿を消した。

 メルカリスタジアムのサブグラウンドで10日に行われた横浜FCユースとの第7節。それまで6試合すべてで先発フル出場し、8ゴールを叩き出していた吉田は別に怪我を負っていたわけではない。

 もちろん累積警告などで出場停止も科されていない。実は物理的にユースの試合には出られなかった。



 横浜FCユース戦がキックオフを迎えた午後2時すぎ。吉田は茨城県鹿嶋市のメルカリスタジアムから、直線距離にして約100km離れた神奈川県横浜市港北区の日産スタジアムにいた。

 同日に行われた横浜F・マリノスとの明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド。吉田はEASTグループ第16節目にして初めてベンチ入りを果たし、79分からDF安西幸輝との交代でピッチに立っていた。

 丸刈り姿がまだ初々しく、ピッチを離れれば鹿島学園高校の3年生に変わる身長172cm・体重72kgの17歳へ。鹿島の鬼木達監督はこんなエールとともに、最後の5人目の交代選手として送り出していた。

「年齢に関係なく、貪欲さに期待を込めて…」

鹿島アントラーズ、鬼木達監督
鹿島アントラーズの鬼木達監督【写真:Getty Images】

「点を取って来い。ヒーローになって来い」

 状況は58分に先制された鹿島が、なかなか反撃の糸口を見出せないまま時間だけが経過していた。どうしてもゴールがほしい状況で、吉田はエースのレオ・セアラと2トップを組んだ。鬼木監督が続ける。

「ユースのゲームで彼が結果を出している点は私たちもしっかりと把握していました。トップチームのトレーニングでも常に調子がよかったので、年齢に関係なく、貪欲さに期待を込めて出しました」

 神奈川県大和市で生まれ育ち、中学生時代にプレーしたFC多摩ジュニアユースから入団を強く希望した鹿島のユース入りを果たして3年目。実はマリノス戦で思い描いてきた夢のひとつをかなえていた。



 日本サッカー協会(JFA)の公式ホームページに昨年掲載された、U-17日本代表の一員として応じたQ&Aのコーナーで、吉田は「尊敬する人は(サッカー選手以外でもOK)」の問いに鈴木優磨と答えている。

 ユース入りした2024シーズンから最上級生のいまも「40」を背負い続けているのは、鈴木が鹿島へ復帰した2022年夏から前任者の小笠原満男さんの魂を受け継ぎ、いまも象徴としている背番号だからだろう。

 トップチームに2種登録されていた昨シーズン。4月29日の横浜FCとのJ1リーグ第13節で途中出場し、鹿島史上で最年少の16歳9カ月14日でデビューを果たしたときは鈴木との交代だった。

「点を取ることだけを意識して…」

鹿島アントラーズ、吉田湊海
鹿島アントラーズの吉田湊海【写真:Getty Images】

 翻って今回は、吉田の投入とともに最前線から左サイドハーフに回った鈴木とピッチ上で共演できた。

 胸中にはどのような思いを抱いていたのか。吉田は「それはあまり意識しませんでした」とこう続けた。

「チームも負けていたので、点を取ることだけを意識してピッチに入ってプレーした感じです」

 中学3年次の夏にポジションをそれまでの中盤からフォワードへ変えた。鹿島ユースではクラブの黄金時代を支えたエースストライカーで、日本代表でも活躍した柳沢敦監督の薫陶を色濃く受けた。



 高校生年代最高峰のプレミアリーグでは、2024シーズンはトップタイの10ゴールをあげて1年生ながらも堂々の得点王を獲得。昨シーズンは3位だったが13ゴールと前年に続いて二桁をマークした。

 オフには同期のDF元砂晏翔仁(もとすな・あんとにー)ウデンバとともにプロ契約を締結。念願のプロ選手になるとともに、プレミアリーグなどユースの試合にも出られるように2種登録された。

 いわば二足の草鞋に挑んできた5カ月あまりの間に、吉田はプロとして新たな目標を掲げている。

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