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「もともと自信があった」セレッソ大阪、横山夢樹が止まらない。香川真司も絶賛した2戦4発の衝撃「計り知れないものが…」【コラム】

セレッソ大阪、横山夢樹
セレッソ大阪の横山夢樹【写真:Getty Images】



 セレッソ大阪の横山夢樹が、一気にブレイクの気配を漂わせている。名古屋グランパス戦で待望の加入後初ゴールを含む2得点を決めると、続くファジアーノ岡山戦でも鮮烈な2ゴール。20歳のアタッカーは、プレーの幅を広げながら、秘めていた才能を一気に開花させようとしている。(取材・文:藤江直人)[2/2ページ]

「Xで流れてきて…」

KRCヘンクの横山歩夢
ゲンクに所属する兄・横山歩夢【写真:Getty Images】


 岡山戦がキックオフされる数時間前。目覚めとともにスマートフォンをのぞき込んだ横山は、X(旧ツイッター)上のタイムラインに流れてくる、ベルギー発のうれしいニュースに胸をときめかせた。

 今年1月にゲンクへ完全移籍で加入した3つ年上の兄・歩夢が、23日(日本時間24日)に敵地で行われたルーヴェンとのプレーオフ2第10節の33分に、待望の移籍後初ゴールを決めていた。

「連絡はないですけど、ツイッター…じゃなくてXで流れてきて。自分としても本当にうれしかったです」

 先に弟がセレッソ移籍後初ゴールを決めた。次の週末には兄がゲンクで初ゴールを決めて、森保ジャパンの一員としてFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会に臨む伊東純也と共演を果たした。

 そして、わずか数時間後に再び弟がスーパーゴールを決める。日本とベルギーとの間で、お互いの存在やプレーを意識して、刺激材料へと変えているのか。横山は静かに首を横に振っている。

「本当にいい関係」

ゲンク、横山歩夢
ゲンクの横山歩夢【写真:Getty Images】


「個人としてライバル視するよりも、本当に頑張ってほしい、活躍してほしいと心から思っています」

 現役時代はジェフユナイテッド市原や横浜FC、ヴァンフォーレ甲府で中盤としてプレー。引退後はブラウブリッツ秋田の初代監督を務めた父・博敏さんから、基本を徹底する指導をともに受けた。

 兄弟による1対1にも夢中になった日々。サッカーが大好きだった少年時代のマインドを、23歳と20歳になったいまも共有できているからか。横山は「そういった、本当にいい関係だと思います」と笑った。

 ベンチからは憧憬の思いを抱き続けたレジェンドが、自身のプレーへ熱い眼差しを送っていた。

 カズ(三浦知良)の実兄、三浦泰年氏が創設したトッカーノFC、そして帝京高校でサッカーを極めていくなかでおのずと日本代表に魅せられ、憧れの選手を問われれば10番を背負う香川真司と答えるようになった。

 そしてセレッソの一員になったいま、37歳になったレジェンドと同じ時間を共有している。

 しかも香川はさまざまなアドバイスをくれる。得意のドリブルを仕掛けるときに下を向きすぎ、次のプレーへの選択肢が狭まっていると指摘された。利き足とは逆の左足も使ったほうがいいとも言われた。

 すべてを血肉に変え、ゴールラッシュへとつなげている可愛い後輩へ香川も思わず目を細めた。

「あいつが自分で…」

香川真司 セレッソ大阪
セレッソ大阪の香川真司【写真:Getty Images】


「若い選手の成長スピードはやはり計り知れないものがあるし、現状に満足せずに、このまま真上へ上がってほしい。ネル(石渡)もそうですけど、この2人はチームに大きな刺激を与えてくれるので」

 岡山戦では出番なしに終わった香川は、百年構想リーグを通じて大きくはばたいた横山と21歳の石渡へエールを送った。特に横山には「僕は別にアドバイスしていないですよ」と苦笑しながらこう続けた。

「彼のスピードや爆発的な瞬発力は素晴らしいものがある。あいつが自分で(先発を)勝ち取り、しっかりと結果に結びつけているのが大事なこと。その意味で素晴らしいゴールだったと思います」

 最終的に6-1で大勝した前節で連勝中だった名古屋の勢いを削いだセレッソは、ゴールの奪い合いとなった岡山との最終節も3-2で制し、地域リーグラウンドWESTグループを3連勝締めの2位で終えた。

 試合を重ねるごとに、育てながら勝つ、が実践された。象徴の一人となった横山が自信を込めて言う。

「ドリブルに代表される自分の特徴や、シュートの質の部分はJ1でも通用するのがわかったので、次のシーズンはもっと取れるように頑張りたい。香川さん以外にもいろいろな先輩選手たちが自分にアドバイスをくれるので、そういったところがいま現在に、ゴールというところにつながっていると思う」

 次のシーズンの前に戦いはまだ残っている。EASTグループ2位のFC東京と、J1百年構想リーグの3位をかけて対峙するプレーオフラウンドへ。覚醒を遂げつつある横山がセレッソを力強くけん引していく。

(取材・文:藤江直人)

【著者プロフィール:藤江直人】
ふじえ・なおと/1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後の1989年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。

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