
スウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュ【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループF第1節・スウェーデン代表vsチュニジア代表が現地時間15日に行われ、スウェーデン代表が5-1で勝利した。今大会は接戦のゲームが多いが、なぜこの対戦カードではこれだけ点差がつく結果となったのだろうか。その理由は、準備段階における成熟度の差に起因していると考えられる。(文:安洋一郎)[1/2ページ]
スウェーデン代表が5-1の大勝
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スウェーデン代表【写真:Getty Images】
日本代表がオランダ代表相手に2度のビハインドを追いつく好ゲームを演じた数時間後、同じグループFのスウェーデン代表とチュニジア代表の一戦が行われた。
試合は優勢と見られていたスウェーデン代表が5-1で勝利。グループ突破に向けて重要となる得失点差を「4」も稼ぐ大勝となった。
なぜ、これだけの点差がつく展開となったのだろうか。
その理由の一つが「準備段階の成熟度」における差だ。
スウェーデン代表の狙いが明確に出た一方で、戦い方を確立できていないチュニジアの準備不足も露呈した。
予選で苦しんだスウェーデン代表

スウェーデン代表FWグレアム・ポッター【写真:Getty Images】
カタールW杯とEURO2024(欧州選手権)出場を逃していたスウェーデン代表は、今大会に向けた予選でも大苦戦。スイス、コソボ、スロベニアとの同組で0勝2分4敗と、まさかの未勝利で終えていた。
この成績不振を受けて、予選途中にヨン・ダール・トマソン前監督を解任。予選ラスト2試合のタイミングで、スウェーデン国内での実績が豊富なグレアム・ポッター監督を招聘した。
新指揮官は就任直後の2試合で、スウェーデンの伝統でもある[4-4-2]を採用。ポッター監督らしくボールを繋ぐ意識が強く、就任2試合目のスロベニア戦(1-1)では61%のポゼッションを記録している。
W杯欧州予選では最下位に終わったが、UEFAネーションズリーグの成績によってプレーオフ進出の切符を獲得。北中米W杯出場を懸けた2試合では、いずれも支配率30%台前半という完全に「割り切ったフットボール」に舵を切った。
そのプランとは、前線にいる強烈なFW陣を活かすための「ロングボールを活用したカウンター」と、平均身長が185cmを超える高さを活かした「セットプレー」に重点を置く戦い方である。
ブロックを組んだ際の守備の若干の緩さなどの課題もあるが、ポッター監督はスウェーデン代表の強みである2つの武器を全面に押し出すことで、チームとしての最大値を出すための戦い方を確立した。
また所属クラブで3バックを採用している選手が多かったことも[3-4-2-1]や「3-4-1-2」のシステム変更もスムーズに進んだ理由であり、未勝利に終わった予選とは全く別の戦術を組んで本大会に臨んだ。
予選では無失点だったチュニジア代表

チュニジア代表のサブリ・ラムシ監督【写真:Getty Images】
一方のチュニジア代表は、10試合を戦ったアフリカ予選で9勝1分0敗。さらに無失点という安定した成績を収めた。
しかし、この好成績は対戦相手に恵まれていた側面もある。他の5チームはすべてFIFAランキング100位以下であり、圧倒的な戦力差があった。
対戦相手のレベルが上がると選手の質だけでは勝てず、昨年末のアフリカネーションズカップでは苦戦。全4試合で失点を喫し、予選で見せた堅守は影を潜めた。
この成績不振を受けてサミ・トラベルシ監督を解任し、サブリ・ラムシ監督を招聘した。
新監督は主将のフェルジャニ・サシやアリ・マールルらベテラン勢をメンバーから外す大胆な改革を行ったものの、W杯開幕前における新体制の成績は1勝1分2敗。中でも直前のベルギー戦の内容は最悪で、0-5の大敗を喫した。
準備期間の試合で共通していたのはミスの多さだった。選手間の判断が悪く、チームの練度は前体制の方が高かった印象だ。
また守備的に戦う姿勢を見せながら、カウンターで頼りになる選手や明確なエースと呼べる得点源がおらず、狙いが見えにくい中途半端なフットボールに終始していた。
スウェーデンとの開幕戦では、その課題が露呈することとなった。