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なぜ5-1もの大差に? スウェーデン代表とチュニジア代表。日本代表のライバルが明暗を分けた大きな理由【北中米W杯分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 フリーライター photo by Getty Images
スウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュ
スウェーデン代表FWヴィクトル・ギェケレシュ【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)グループF第1節・スウェーデン代表vsチュニジア代表が現地時間15日に行われ、スウェーデン代表が5-1で勝利した。今大会は接戦のゲームが多いが、なぜこの対戦カードではこれだけ点差がつく結果となったのだろうか。その理由は、準備段階における成熟度の差に起因していると考えられる。(文:安洋一郎)[2/2ページ]

開始2分で試合の優勢は明らかに

スウェーデン代表MFヤシン・アヤリ


 チーム状態が上向いていたスウェーデンと、準備段階から苦戦が続いていたチュニジアとの差は歴然だった。

 スウェーデンはプレーオフ時の[3-4-2-1]から変更し、ヴィクトル・ギェケレシュとアレクサンデル・イサクを2トップで並べる[3-4-1-2]を採用。強力2トップのスピードと決定力を最大限に生かすカウンターに狙いがあった。

 一方のチュニジア代表は、強化試合でも採用していなかった[5-3-2]で戦うことを決断。まずは守備からというメッセージが込められた布陣だった。

 しかし、キックオフ直後から、スウェーデン優位の構図は明確だった。

 チュニジアの2トップはスウェーデンの3バックに対する横スライドが遅く、最終ラインへ十分なプレッシャーをかけられない。

 全体的にプレッシャーが緩く、2分には3バックの一角であるDFヴィクトル・リンデロフにボックス手前まで簡単に運ばれる場面も見られた。

 その構造的な問題が表面化したのが先制点の場面だ。リンデロフが裏へ抜け出したイサクを狙ってロングボールを送ると、その流れからセカンドボールを回収したヤシン・アヤリが強烈なミドルシュートを突き刺した。

 チュニジア代表の最終ラインは試合を通してスウェーデン代表の強力2トップにフィジカルバトルで苦戦。さらにスウェーデンはセカンドボール回収の設計も徹底されており、容易に自陣への侵入を許した上でゴールまで決められた。

 それに対する有効な対策も最後まで見られず、スウェーデンに主導権を握られ続けた。

前残りする2トップを活かした強烈なカウンター

スウェーデン代表FWアレクサンデル・イサク
スウェーデン代表FWアレクサンデル・イサク【写真:Getty Images】


 30分に決まった2点目もスウェーデンが狙っていたカウンターから生まれた。

 ハーフウェーライン付近でベンジャミン・ニグレンのロングボールをギェケレシュが収めると、DFモンタッサル・タルビは背後へ走るイサクを警戒して潰し切れなかった。

 前線で起点を作られ、最後はイサクが得意の形からゴールネットを揺らした。

 カウンターを狙うために前線に残る2人のストライカー相手に、個の能力で劣るだけでなく、それを補う戦術的な準備や集中力も不足していたため、終始後手に回った。

 スウェーデンの3点目と5点目はいずれも自陣でのロストからのショートカウンター。4点目はセットプレーから生まれたもので、ポッター監督が準備してきた形が結果に結びついた。

 試合後、ポッター監督はトマソン前体制では課題とされたイサクとギェケレシュの連係について、「試合を重ねるごとにさらに良くなる。互いを非常に補完し合っている」と手応えを語った。

 実際にギェケレシュで収めて、イサクが背後を突く役割を明確に分担できていた点が、カウンターの質を高める要因となっている。

 一方、ラムシ監督は「個人のミスが多すぎた。あれだけ質の高い相手に対しては回復できない」と敗因を分析。チュニジアは自滅に近い形で初戦を落とした。

 ボールを失った直後の切り替えが遅く、自陣からのビルドアップでも選手間の距離が空き、サポートの連動性が乏しかった。繋ぎの局面でも完成度の低さが露呈している。高さを活かしたセットプレー以外は、強みと呼べる部分を出すことができなかった。

 日本代表は第2戦でチュニジア代表、第3戦でスウェーデン代表と対戦する。

 特にチュニジアはグループリーグ突破のために第2戦での勝利が必須となる。初戦以上の強い覚悟で臨んでくる可能性が高いが、日本代表としても、チュニジアの“守備の脆さ”と“切り替えの遅さ”を突けるかが試合のポイントになるだろう。

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