FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会のグループステージ第2節で、日本代表はチュニジア代表に4-0と快勝した。この試合で際立ったのが、上田綺世の決定力だった。清水エスパルス、ガンバ大阪、FC東京、名古屋グランパスなどを率い、現役時代は、ストライカーとして名を馳せた長谷川健太氏に、昨季のオランダリーグで25得点を記録し、得点王に輝いたストライカーの“凄み”を探ってもらった。(取材・文:内藤秀明)
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上田綺世の1点目は「自分で決めてやろうと」
まず、チュニジア代表を相手に圧勝した要因について尋ねると、「試合をコントロールしたのは、森保一監督だと思います。
やはり、先発をあのメンバーで組んだことが一番の勝因だったと思いますし、あとは日本の選手が海外に出て、本当に成長したなということも改めて感じました」と、森保一監督の采配や選手個々の出来に目を向けた。
その中で印象的だった選手について尋ねると、「上田の2点は、本当にテクニカルでありながら、パワフルでもある。技術とフィジカル的な要素がたくさん詰まった得点だったと思います」と、2得点を決めたストライカーのプレーを高く評価した。
31分に生まれた上田の1点目に関しては、「3人ぐらい追い越している選手がいる中で、たぶんボールを受けた瞬間に『シュートを打つ』と決めていたと思うんです」と振り返った。
筆者の目線では、周囲を使うことも考えたが、タイミングを逃したから打ったように見えたことを伝えると、「違いますね。感覚的にあそこでフリーで受けて前を向いた瞬間には、もう『自分で決めてやろう、足を振ってやろう』と思って、あそこまで運んでいたと思います。もう全く周りは使う気はなかったですね」と現役時代に前線でプレーしていた元選手としての感覚でコメントしている。
続けて「シュートを打つと決めている中で、追い越した選手をあえて使わず、相手の股が開くまでしっかりためていました。相手のステップを見ながら、股が開くタイミングで打っている。しかも、シュートは縦回転のボールになっていたので、ボールの芯をしっかり捉えていたと思います。テクニックとパワーの両方が詰まった、ストライカーらしい素晴らしいゴールでした」と、昨季のオランダリーグ得点王を称賛した。
上田綺世の2点目「高いフィジカル的要素が必要」
上田の2点目については、「チップ気味のボールだったので難しかったと思います。滞空時間の長いヘディングだったと思いますし、あれを少しループ気味に逆サイドへ持っていくためには、かなり高いフィジカル的な要素が必要です。あれだけ滞空時間を長くジャンプできなければ、あの形にはならなかったと思います」と、まずは跳躍力の高さを称賛した。
さらに、「なおかつ、あそこで強く叩きつけるようなヘディングをしていたら、入らなかったと思います。しっかりコントロールしながら、ループ気味に逆サイドへ落とした。あれも本当にパワフルで、テクニカルなシュートでした。2点とも、本当に素晴らしいゴールだったと思います」と、技術面の高さにも言及している。
圧勝という結果の中でも、上田綺世の2ゴールは日本の攻撃力を改めて示すものだった。限られたチャンスを逃さず、技術とフィジカルの両面でゴールを奪い切る力は、W杯を勝ち抜くうえで大きな武器になる。次戦のスウェーデン戦でも、ストライカーとして結果を残せるか。
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