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「ここからが本当のW杯」日本代表の出来は良くなったが、トーナメントへの準備はできた【西部の目/北中米W杯】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 フリーライター/戦術ライター photo by Shinya Tanaka, Getty Images
スウェーデン戦に臨む日本代表
スウェーデン戦に臨む日本代表【写真:田中伸弥】



 FIFAワールドカップ北中米大会(北中米W杯)グループF第3節、日本代表はスウェーデン代表と1-1で引き分け、グループ2位で決勝トーナメントに進出した。鮮やかなコンビネーションから前田大然のゴールで先制したものの、追い付かれたあとの終盤は守勢に。それでもGK鈴木彩艶らの奮闘で、2位通過を守り抜いた。ラウンド32では強豪ブラジルと激突する。(文:西部謙司)[2/2ページ]

「ここからが本当のワールドカップ」

ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール
ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール【写真:Getty Images】


 ようやくパスをつないで攻め込めるようになったスウェーデンは62分にエランガのカットインシュートで1-1に追いつく。

 失点後、日本は堂安、上田に代えて伊東純也、小川航基を投入。さらに75分に中村→長友佑都、瀬古歩夢→渡辺剛。この最後の交代で明確に守備重視に舵を切った。

 試合前、森保一監督は「1位通過を目指す」と話していたものの、この時点でオランダが3-1とチュニジアをリードしていたので1位通過は困難になっていた。

 1位が無理になった日本に対して、スウェーデンはあわよくば2位通過を狙える。守備を固めて2位を確保しようとする日本、何とかもう1点とりたいスウェーデンという立場もあって、終盤は日本が守勢に追い込まれる。

 アディショナルタイムにはエランガの際どいシュート、CKからのヘディングシュートがあったが、GK鈴木彩艶が安定した反応で防いだ。

 2位通過の日本はラウンド32でブラジルと対戦することになった。

 今大会のブラジルはこれまでとは違っていて、守備とカウンターのチームになっている。日本がボールを保持してブラジルが守るという、従来には考えられなかった展開もありうる。

 カウンターのエースであるヴィニシウス・ジュニオールを抑えることがポイント。冨安健洋と佐野海舟をスウェーデン戦で温存できたのは大きいかもしれない。

 チュニジア戦に続いて攻守を牽引した田中が調子を上げている。上田と堂安を引っ張らずに70分を待たず交代させたのも次戦への布石だろう。

 ドローに終わったスウェーデン戦自体の出来はあまり良かったとはいえないが、ノックアウトステージへの準備はある程度できた。

 ここからは先を睨んだ駆け引きはほぼなくなり、100%の状態での激突になる。「ここからが本当のワールドカップ」とよく言われるが、その段階に踏み込んでいくことになる。

(文:西部謙司)

【著者プロフィール:西部謙司】
1962年9月27日生まれ、東京都出身。学研『ストライカー』の編集記者を経て、02年からフリーランスとして活動。95年から98年までパリに在住し、ヨーロッパサッカーを中心に取材。現在は千葉市に住み、ジェフ千葉のファンを自認し、WEBスポーツナビゲションでは「犬の生活」を連載中。サッカーダイジェスト、フットボリスタなどにコラムを執筆中。『ちょいテク 超一流プレーヤーから学ぶちょっとスペシャルなワザ』監修(カンゼン)、「サッカー右翼サッカー左翼」(カンゼン)、近著に『戦術リストランテⅣ』(ソル・メディア)、「ゴールへのルート」(Gakken) 、共著の『サッカー日本代表の戦術が誰でも簡単に分かるようになる本』(マイナビ)、『FCバルセロナ』(ちくま新書)がある。

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