
ブラジル代表 マテウス・クーニャ【写真:Getty Images】
ブラジル代表は長年、絶対的な9番の不在を課題としてきた。今大会初戦ではイゴール・チアゴが不発に終わったが、マテウス・クーニャの起用によって前線の流れは一変。2試合連続ゴールで評価を高めたアタッカーは、日本代表にとって大きな脅威となるのか。(文・内藤秀明)[2/2ページ]
“新9番”マテウス・クーニャは「最大の収穫」

ブラジル代表、マテウス・クーニャ【写真:Getty Images】
いずれにしても初戦不発の結果を受けて、第2戦のハイチ代表戦で、カルロ・アンチェロッティ監督は決断を下した。
典型的な9番であるチアゴを下げて、ストライカーとしてもプレーできるものの、本職は2列目のマンチェスター・ユナイテッド所属FWマテウス・クーニャを最前線に据えたのだ。
するとどうだろう。パスワークに絡んでリズムを作りつつ、縦パスを引き取るとターンしてドリブルし、一気にゴール前に運ぶなど攻撃を加速させた。
加えてW杯では初スタメンであるこの試合でいきなり2ゴールを決めたのだ。
特に2点目のゴールは圧巻で、相手DFの背後のスペースでスルーパスを受けると、ペナルティーボックス内とはいえ、やや外側に膨らんだコースをとりながらも逆足の左足でニア上に強烈なシュートを決めたのだ。
これで評価を上げた27歳のアタッカーは、第3戦スコットランド戦でも美しいパスワークの流れで得点を決めて、自身にとって今大会3点目を決めるなど、2戦連続で結果を残した。
ブラジルスポーツメディアの『ge』は「マテウス・クーニャは、ブラジルのワールドカップ・グループステージにおける『最大の収穫』だ。ブラジルがグループステージ終盤にチームとして形を取り戻したことを象徴する存在にもなった」と絶賛。
英高級紙『ザ・ガーディアン』も「ゴール後にはおなじみのサーフィン・セレブレーションを披露し、真っ白な歯をカメラに向けて輝かせた。スター性というものが何であれ、この男にはそれがある」と報じている。
決勝トーナメント1回戦でブラジル代表と対戦する日本代表側からすれば頭が痛い話ではあるが、チームの微調整が抜群にうまいイタリア人監督の采配と、マンチェスター・ユナイテッドで10番を背負う男の活躍によって、ブラジル代表の攻撃の完成度は一段上がっている。
それでも、日本代表がこの大一番で、セレソンの“新9番”を不発に終わらせることができれば、ブラジル国内で『9番不在問題』を再燃させることになるだろう。
(文・内藤秀明)
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