
決勝トーナメント1回戦でブラジル代表と対戦する日本代表【写真:Getty Images】
日本代表は日本時間6月30日、FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)決勝トーナメント1回戦でブラジル代表と対戦する。サンフレッチェ広島時代に森保一監督の下でJ1リーグ3度の優勝を成し遂げ、現在は広島のコーチを務める青山敏弘氏は、指揮官を誰よりも知る”愛弟子”の一人だ。森保ジャパンの強さやコンディション管理、そして「楽しんでいる場合じゃない」と語るブラジル戦への思いを聞いた。(取材・文:竹中愛美)[2/2ページ]
【単独インタビュー/取材日:6月28日】
鈴木彩艶に託す”ヒューストンの奇跡”

スウェーデン戦でも好セーブを見せた鈴木彩艶。ブラジル戦でもその活躍が期待される【写真:Getty Images】
ーーそうですね。その大一番で青山さんが期待する選手、注目する選手はどの選手ですか?
「(鈴木)彩艶選手ですね。もうイメージとしては僕が知っている限り、日本がブラジルに勝ったイメージはマイアミの奇跡の川口能活さんですよね」
ーーなるほど、1996年アトランタオリンピックで日本が優勝候補のブラジルを破った歴史的な試合ですね。
「オリンピックですけど、あれもアメリカですしね。出ている選手たち、知らない人ばかりだと思うんですけど、やっぱりあのときの川口さん、もう神がかっていましたし、今回それを彩艶くんがやってくれるんじゃないかなって。
もう今のディフェンス陣、セットで含めてのね、そうならないと。大いにその可能性があると僕は思っているので、マイアミの奇跡と言われましたけど、次はヒューストンですか?」
ーーアメリカはヒューストンですね。
「さらに大きなワールドカップという舞台で、環境は整ったというか。僕たちがそれを奇跡というのか、どうなるのか。でも、何度もそういう試合を見させてもらっているので、なんとかそういうものをこの大一番で出してもらいたい。期待ができる今の日本代表なので。でも、楽しみって言ってられないですもんね」
ーーそうですね、楽しみと言っていられるのは今だけですかね。
「なんかもう、楽しみっていうのが失礼な気もしますね」
ーーと言いますと。
「今の日本代表は本当にそれぐらい一緒に戦わないと、体を張って、あれだけインテンシティーが高くて。あれだけ何度もプレスして、プレスバックして、奪ったボールをなんとか繋いでというのを繰り返している日本代表を見ると、次はやっぱり僕たちのね、何か力にならなきゃいけないですし、楽しんでいる場合じゃないですよね?」
「楽しんでいる場合じゃない」。日本サッカーの歴史を変える一戦

ブラジルのような個の力がある相手に対して、日本はどのような戦い方をみせるのか【写真:田中伸弥】
ーーなるほど、ここに来てちょっと喝を入れられたような気持ちです。
「やっぱり一緒に戦わないと、本田圭佑も解説というか、一緒に戦っていますもんね。本気で。愚痴って言っているぐらいですもんね」
ーー確かに。熱量がすごいです。
「国民の皆さんの力で森保さんを後押ししてほしいなと思います。もし、このブラジルに勝てば、日本のサッカーがもう1つ上に行く、サッカーというものがもう十分、日本に根付いてるんですけど、さらに1個高いレベルで、本当の文化にまで持っていけるチャンスになるんじゃないかなって。
それぐらいひとつのサッカーの試合で国民の皆さんが注目していただけるのは、そもそもの価値がやっぱりあるものだと思うので、歴史を変えるというか。それぐらいのものを森保さんは背負っていると思うので、僕たちはその背負っていらっしゃる背中を乗っかるんじゃなくて、一緒に押して戦っていく。もう楽しんでいる場合じゃないですね」
ーーそうですね。我々も楽しみと言っている場合じゃないですね。一緒に戦うということですね。
「それぐらい、本気で勝ちたい想いはちょっと今喋ってて、出てきちゃいます」
ーー本当に高まってきました。「楽しんでいる場合じゃない」という言葉もありましたので、我々も楽しみ半分ぐらい、1/3ぐらいにして臨めればと思います。
「それぞれの、ちょっとでも力を…。本当にいただければ、その期待以上をいつも返してきていただいたので。僕はもう信じるだけ。もう言葉、なんか喋りましたけど、いらないです、本当に(笑)もう覚悟だけですよね」
ーーなるほど、わかりました。本日も貴重なお話をたっぷりとありがとうございました!ブラジル戦後もまたお話を聞かせてください!
「いや、勝ちますよ。またお願いします」
ーーこちらこそよろしくお願いいたします。ありがとうございました!
(取材・文:竹中愛美)
【著者プロフィール:竹中愛美】
1990年、北海道生まれ。Jリーグ開幕で世の中がサッカーブームに沸いていた幼少期、「入会したらヴェルディ川崎のボールペンがもらえる」の一言に釣られて地元のクラブでサッカーを始める。以降、サッカーの魅力に憑りつかれた日々を送ることに。ローカルテレビ局時代に選抜甲子園や平昌冬季五輪、北海道コンサドーレ札幌などを取材し、2025年よりカンゼンに所属。FWだったからか、この限られた文字数でも爪痕を残したいと目論むも狭いスペースの前に平伏す。ライターとして日々邁進中。
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【了】
