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日本代表が味わってきた長い苦闘の歴史。ブラジル代表との力の差は縮まったのか?「僕らの向上幅の方が…」【北中米W杯コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Shinya Tanaka,Getty Images
2006年ドイツ大会でブラジル代表に敗れたサッカー日本代表
2006年ドイツ大会でブラジル代表に敗れたサッカー日本代表【写真:Getty Images】



 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)ラウンド32で、日本代表は優勝候補のブラジル代表と対戦する。昨年10月に歴史的な初勝利を挙げたとはいえ、日本はこれまで幾度となく壁に跳ね返されてきた。しかし今、かつてとは異なる立ち位置で“王国”との再戦を迎えようとしている。森保ジャパンは、積み重ねてきた進化を証明できるのだろうか。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

歴史的勝利の裏にある苦いブラジル戦の記憶

日本代表
10月の国際親善試合でブラジル代表に勝利したサッカー日本代表【写真:Getty Images】


 FIFAワールドカップ2026(北中米W杯)ラウンド32・ブラジル代表戦がいよいよ目前に迫ってきた。

 日本代表は、8日から滞在していたベースキャンプ地・ナッシュビルを27日に離れ、決戦の地・ヒューストンへ移動。ここまでの移動距離は日本がブラジルの約2倍ということで、負担の大きさがやや懸念される。

 試合間隔も相手の中4日に対し、日本は中3日。慣れない会場を含めて、どこまで持てる力を出し切れるかが最重要テーマになってきそうだ。

 2025年10月の東京・味の素スタジアムでの対戦で、日本がブラジルから3−2の歴史的金星を挙げたのは周知の事実。

 前半を0−2でリードされながら、キャプテンマークを巻いていた南野拓実が「俺たちはまだ死んでない」とハーフタイムに檄を飛ばし、自ら反撃ののろしを上げる1点目をゲット。そこから中村敬斗、上田綺世がゴールを奪い、見事な逆転勝利を奪ったのだ。

 その白星が日本にとってのブラジル戦初勝利。だが、その前は全て黒星を喫していたということ。89年7月の初対戦から、2022年6月の東京・国立競技場でのゲームまでの日本は13試合戦って2分11敗。ことごとく痛い目を見てきたのである。

埋まらなかった実力差

2022年6月の日本代表戦でゴールを決めるブラジル代表ネイマール
日本代表と抜群の相性を誇るブラジル代表 ネイマール【写真:Getty Images】


 我々にとってまず記憶が鮮明なのは、2006年ドイツW杯のブラジル戦だろう。中田英寿の現役ラストマッチとして知られるこのゲームは、34分に玉田圭司が“玉田ゾーン”とも言える左45度の位置から強烈なシュートを突き刺し、ブラジル相手に先制点を奪った。

 だが、そのゴールが相手の本気度をヒートアップさせ、前半終了間際にロナウドが同点弾をゲット。後半になると攻撃のギアを一気に上げ、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ、ジウベルト、ロナウドが3得点。終わってみれば1−4の完敗だった。

 カカやロナウジーニョを擁し、カフーやロベルト・カルロスをベンチに温存したブラジルはタレント力が抜きん出ていて、当時の日本代表とは実力差がかけ離れていた。世界の高い壁を実感させた試合だったのだ。

 本田圭佑や長友佑都、香川真司らが主力になった2010年代には、2012年10月(ブロツワフ)、2013年6月のコンフェデレーションズカップ(ブラジリア)、2014年10月(シンガポール)、2017年11月(リール)の4度相まみえるチャンスがあった。だが、日本はその全てで黒星という結果を強いられている。

 毎回のように高い壁として立ちはだかったのが、ネイマール。上記4試合ではそれぞれ2点、1点、4点、1点の合計8ゴールをゲット。さらに2022年6月の東京でのゲームもネイマールがPKで決勝点を挙げていて、合計9ゴールという離れ業をやってのけている。まさに“天敵”と言っても過言ではない存在感を示しているのだ。

「それを上回っていかなきゃ…」

長友佑都
サッカー日本代表 長友佑都【写真:田中伸弥】


「(アルゼンチンのリオネル・)メッシじゃないですけど、『ネイマールのため』にチームがなった時の強さというのは、彼らの能力プラス、団結心みたいなのが出てきて、非常に厄介になるなって思うんで、それを上回っていかなきゃいけないですね。

 次の試合でネイマールがスタメンで出てくるのか、途中から出てくるのか分かんないですけど、彼は本当にクオリティを持ってるんで、1発のスルーパスを出させないとか、変なところでFKを与えないとか、そういったところの繊細さがすごく大事になってきますね」と手痛い負けを何度も経験してきた長友は神妙な面持ちでコメントした。

 その大ベテランの言葉通り、日本は細部を徹底しなければ、王国を撃破することはできないのだ。

 とはいえ、ブラジルが最後にW杯の頂点に立ったのは、ロナウド、リバウド、ロナウジーニョの“3R”を擁した2002年日韓W杯。それ以降は2014年ブラジル大会の4位が最高成績で、2006年ドイツ大会、2010南アフリカ大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会はいずれもベスト8で敗れ去っている。

「今のブラジルは昔ほどのタレント軍団ではない」という見方をする関係者も少なくないだけに、日本との力の差は間違いなく縮まっている。

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