
鹿島アントラーズの守護神・早川友基【写真:Getty Images】
鹿島アントラーズは8月29日の明治安田J1リーグ第4節で東京ヴェルディを2-0で下し、開幕4連勝を飾ると同時に今季初のクリーンシートを達成した。開幕戦以降3試合連続で失点が続いていた守備陣にとって待望の完封勝利となった。GK早川友基は「相手との距離感」という課題を修正できた手応えを、自らの言葉で明かした。 (取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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【2026/27明治安田J1リーグ第4節】
2026年8月29日 東京ヴェルディ 0-2 鹿島アントラーズ
(味の素スタジアム)
前半途中までは苦戦した鹿島アントラーズ

鹿島アントラーズを率いる鬼木達監督【写真:Getty Images】
2026年J1百年構想リーグではヴィッセル神戸に次ぐ2位に甘んじたものの、2025年J1王者として2026/27シーズンでは連覇に挑んでいる鹿島アントラーズ。8月7日の開幕・横浜F・マリノス戦は壮絶な打ち合いの末、4−3でしぶとく勝ち切ったものの、堅守が伝統の彼らにしては、一抹の不安が感じられる幕開けとなった。
その後の名古屋グランパス戦で2−1、アビスパ福岡戦で3−2とリーグ3連勝を飾ったが、失点の連鎖は続いた。それだけに、8月29日の第4節・東京ヴェルディ戦では何としてもクリーンシートを達成したかった。GK早川友基、DF植田直通ら守備陣はそう強く意識して試合に入ったはずだ。
この日の鹿島は序盤からしっかりとしたビルドアップでボールを前進させ、相手を押し込むというスタイルが実践できていた。ヴェルディがここまで未勝利で、ケガ人続出で戦力的に厳しかったこともあり、両者の力の差が如実に感じられた。
ただ、先制点が入るまでは少し時間を要した。鬼木達監督も次のように反省する。
「チャンスの数は少なかったし、シュートの数も少なかった。特にボールを下げた時にそのまま受けてしまって前向きなポジションを取るのが少し遅くなった。そこで怖がらずに引き出したり繰り返せば、相手もだんだん来れなくなるが、押し返せそうな雰囲気を出させてしまったのはもったいなかった」
選手たちもピッチ上でそう感じていただろう。
守護神・早川友基が語る失点が増えた理由

東京ヴェルディ対鹿島アントラーズの模様【写真:Getty Images】
そんな流れを打破したのが、今季リーグ初先発のエウベルとエースFWレオ・セアラ。2人が絡んで42分に待望の先制点を奪った。これで勢いに乗った彼らは、ハーフタイム明けの50分にも小川諒也の左コーナーキック(CK)を起点にレオ・セアラが追加点をゲット。
そこからも主導権を握り続け、終わってみれば、シュート数はヴェルディの4本に対し、鹿島は24本。であれば、3点4点取れていてもおかしくなかった。2−0で勝つには勝ったが、鬼木監督も選手たちも“もっといい内容で勝てた”という思いがあるはずだ。
とはいえ、守備陣がクリーンシートという1つの目標を達成したのは事実。早川は「相手のシュートシーン自体がほぼなかった」とは言うものの、ここまでの課題を修正できたのは事実だという。
「ここまで失点が多かったのは、守備の時に相手との距離感が遠かったのがまず1つ。フリーでやらせすぎちゃっているシーンが多かったので、プレスに行く距離を詰めたり、守るべきところは守るというのを注意深くやらないといけなかった。
今季、僕らの守備のスタイルが変わってきているのもあると思います。今までだったらブロックを引いてしっかり守るのがメインだったけど、人にどんどん出ていくやり方にしようとしているので、バランスを取っていく必要がありますね」
早川は問題点を明確に整理し、取り組んだことを明かす。
「別にミスってもレオが点を取ってくれるから」

この日も2得点をあげたレオ・セアラ【写真:Getty Images】
彼自身も「自分をもっともっと成長させなければならない」という強い自覚を持って今季に挑んでいる。
日本代表として参戦した2026 FIFAワールドカップ(北中米W杯)は4試合続けてベンチで見守ることになったが、正守護神・鈴木彩艶(アストン・ヴィラ)が好セーブを連発。イタリア・セリエAから最高峰のイングランド・プレミアリーグにステップアップする姿を目の当たりにした。
となれば、「自分もこのままではいられない」と感じるのも当然のことだろう。
「W杯へ行って、自分のサッカー人生をより豊かにするのもそうだし、高いレベルでプレーするのが大事だということを強く感じた。1つの基準が見えたのは確かです」と本人もしみじみと話していたが、今のところはJリーグにとどまってプレーを続けている。
劇的な飛躍を遂げようと思うなら、環境を変えるのが一番早いのだろうが、同じチームで自分を飛躍させることもできるはず。早川はそう前向きに考えて、できる限りのチャレンジをしようとしているという。鹿島の守護神は以下のように語気を強める。
「今までだったら弾いていたクロスボールとかを全部出て取りに行くとか、貪欲にキャッチするとか、今の鹿島はそういうことをやれる環境なんです。いい意味で自分が積極的にトライできる。
別にミスってもレオ(・セアラ)が点を取ってくれるから勝てるし(笑)。そういう状況の時にあえて自分の限界を決めずにリスクを冒してチャレンジしていくことが大事だと思っています。
難しいシュートを簡単に取るとか、守備範囲を広げるとか、そういうところは本気でもっともっとやっていかなきゃいけない。代表へ行って、W杯に参加したことで、自分のやるべきことが見つかったのは確か。これからもいろいろ試しながらやっていきたいと思っています」