サッカーにおいて、ポジション変更(コンバート)は選手のキャリアを大きく左右する。慣れ親しんだ役割を離れることは大きなリスクを伴う一方、それまで眠っていた才能が開花するきっかけにもなり得るからだ。実際、ポジション変更を機に評価を一変させ、世界屈指の名手へと上り詰めた選手もいる。今回は、ポジション変更によって新たな境地を切り開いた選手を紹介する。[2/5ページ]
FW:クリスティアーノ・ロナウド
生年月日:1985年2月5日
ポジション変更:ウイング→センターフォワード
【世界を魅了したウインガー】
素早い足さばきと細やかなボールタッチ、そして重心がぶれない卓越したボディコントロール。41歳となった今なお、クリスティアーノ・ロナウドのドリブルには、若かりし頃を彷彿とさせるテクニックがある。
母国の強豪スポルティングで頭角を現したロナウドは、2003年にマンチェスター・ユナイテッドへ完全移籍。当初は左サイドを主戦場とするウインガーであり、サイドから積極的に仕掛けるドリブラーとしての色が強かった。
しかし、アレックス・ファーガソン監督の下で得点力も急速に向上する。
2007/08シーズンにはプレミアリーグ34試合で31ゴール7アシスト。前年はリーグ戦34試合で17ゴール15アシストだったことからも、ウインガーでありながら得点力を飛躍的に高めていたことが分かるだろう。
【フィニッシャーとして大成】
2009年にレアル・マドリードへ移籍してからも、ロナウドの進化は続く。左サイドを基本位置としながら、味方にボールを預けると中央へ走り込み、優れた嗅覚でゴールを量産した。そこから年齢を重ねるにつれてタッチライン際での仕掛けを減らし、キャリア中盤以降はゴール前で勝負するフィニッシャーへと変貌した。
その進化を象徴するのが、レアル・マドリードで残した驚異的な数字だ。公式戦438試合で450ゴール131アシストを記録し、クラブ史上最多得点者としてその名を刻んだ。
年齢とともにプレースタイルを変えたことは、彼が長期間にわたって世界最高峰で得点を重ねられた理由の一つかもしれない。サイドで何度も相手と対峙し、長い距離を走って局面を打開する役割から、ゴール前でポジショニングと一瞬の動き出しの質を生かす役割へ移行したことで、身体的な負担を抑えながらベテランとなってからも高い得点力を維持している。

