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J1 6時間前

「雄太の代わりをするつもりはない」昌子源、久々の左CBで示した“別解”。FC町田ゼルビアに生まれた新たな武器【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images
FC町田ゼルビア 昌子源
FC町田ゼルビア 昌子源【写真:Getty Images】



 キャプテンに与えられたのは、これまでとは異なるポジションだった。FC町田ゼルビアで守備の軸を担う昌子源が、川崎フロンターレ戦で左センターバックとして先発。新たな役割に戸惑いながらも、試合が進むにつれて自身の武器を見つけ出していった。チームが勝利を手にした一戦で見えたのは、33歳になった今もなお、変化を恐れず進化を続けるベテランの姿だった。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

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明治安田J1リーグ第5節
FC町田ゼルビア 2-1 川崎フロンターレ
町田GIONスタジアム

町田が見せた新たな3バックの形

FC町田ゼルビア 菊池ダビド流帆
約1年ぶりにリーグ戦に復帰したFC町田ゼルビアの菊池ダビド流帆【写真:Getty Images】


 8月8日の開幕・FC東京戦の5−1の圧勝を皮切りに、26/27シーズンJ1の序盤戦を無敗で戦っているFC町田ゼルビア。直近8月29日の水戸ホーリーホック戦は1-1のドローで勝ち点2を逃す形になったが、第4節終了時点では柏レイソル、鹿島アントラーズに次ぐ勝ち点10の3位。悪くない状況の中、9月2日の第5節・川崎フロンターレ戦を迎えた。

 FIFAワールドカップ2026(W杯北中米大会)日本代表FW小川航基のホーム初先発が期待されたこの一戦。ふたを開けてみると、先発1トップはテテ・イェンギで注目の点取り屋はベンチスタートとなった。

 その前線以上に目を引いたのが、最終ラインの構成だ。2025年9月に右ひざを負傷し、長期離脱を強いられていた菊池ダビド流帆が約1年ぶりにリーグ戦に復帰。3バックの中央に陣取った。

 これに伴い、ここまで3枚のセンターを務めていた岡村大八が右へ移動。右センターバック(CB)がメインだった昌子源が左CBに回るという新たな並びになったのだ。

「ホント、いつぶりだろう…」

FC町田ゼルビア 中山雄太
レッドスター・ベオグラードへ移籍した中山雄太【写真:Getty Images】


 特に左CBに目を向けると、8月末にセルビアの強豪・レッドスター・ベオグラードへ移籍した中山雄太が長く担ってきた重要ポジション。8月26日の天皇杯2回戦・いわてグルージャ盛岡戦ではキム・ミンテ、水戸戦ではドレシェヴィッチが入ったが、黒田剛監督の中ではどこかしっくりいかない部分があったのかもしれない。

 今月1日には左利きのCBであるトーマス・アウエヤンを小川と同じNECナイメヘンから獲得したものの、フィットするにはまだ時間がかかるだろう。そこで指揮官はキャプテン・昌子を抜擢。左ウイングバック(WB)・明本考浩、左シャドー・相馬勇紀らとの新たな左の関係性構築を求めたのだ。

「左CBは久しぶりですね。ホント、いつぶりだろう…」と、昌子自身も自分の引き出しの中から感覚を呼び戻さなければいけない状況だったようだ。

「僕は雄太の代わりをするつもりはないし、雄太みたいなことはできない。でもあいつにないものは対角(へのロングフィード)とかだと思っているんで、そういう部分を随所に出していければなと考えて試合に入りました。

 やっぱり左だと見え方が全然違う。まずフィーリングを合わせようと思って、アップからキックを蹴っていましたけど、割といいボールを蹴れたかなと感じていました」

 こう語る昌子は試合開始早々の8分、右WBに陣取っていた望月ヘンリー海輝へのライナー性の鋭いボールを供給。「感覚よし」と手ごたえを得たという。

「割と正確に届けられたかなと」

FC町田ゼルビア 昌子源
FC町田ゼルビア 昌子源【写真:Getty Images】


「多少、相手に読まれても多めに蹴ろうと思った1本目だったんで、自分の中では大きかった。その後も多少の上下はあったにしても、割と正確に届けられたかなと感じますね」と背番号3は新たなトライに自信をつかんだ様子だった。

 対角へのロングフィードのみならず、相馬や西村拓真への縦パスの供給、ビルドアップの参加、ロングスローの供給など、この日の昌子は左CBとしてのブランクを一切感じさせない、キレのあるパフォーマンスを見せつけた。

「ウチはどうしても左サイドがストロングだと思われがち。相馬もいるので。そこに相手のマークが集まってくれたら、一本長いボールを対角に入れるとチャンスになる」とも昌子は語っていたが、確かに望月や中村帆高のような推進力ある右WBにダイレクトにボールが通れば、得点確率は上がる。

 そういうお膳立てができるところは、ボランチ的な動きを得意とする中山とは異なるストロング。昌子は新たな色合いをもたらしながら、町田の生命線・左サイドを彼なりに活性化したと言っていい。

 今後はアウエヤンも入ってくるため、彼が左CBに入る機会は減るかもしれないが、町田にとっては1つの重要オプションが生まれたのは朗報だ。

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