
中学世代まで町クラブで育ったU-20選手5選【写真:Getty Images】
Jリーグクラブの下部組織が育成の主流となりつつある現代においても、中学生年代までは地域の”町クラブ”で腕を磨き、10代でJ1の舞台に駆け上がった選手もいる。そこで今回は、異色の育成ルートを辿った才能たちの 「ホーム」に迫る。[2/5ページ]
吉田湊海(よしだ・みなと)

鹿島アントラーズに所属する吉田湊海【写真:Getty Images】
生年月日:2008年7月15日
所属クラブ:鹿島アントラーズ
2026/27シーズンリーグ成績:5試合0得点
【あらゆる意味でクラブレコード級】
神奈川県出身の吉田湊海は、高校年代から鹿島アントラーズに所属している。
中学進学時にはJリーグクラブの下部組織のセレクションに複数回落選した過去を持つが、町クラブのFC多摩ジュニアユース所属時に当代屈指の存在感を示した。
中学3年時の2023年、全国クラブユース選手権(U-15)で優勝・MVP・得点王の三冠を達成。U-15日本代表にも選出されるなど、全国区の結果を携えて、鹿島のユースに加入した。
高校年代でも目覚ましい成績を残し続けた。
ユース1年目の2024年、高円宮杯JFA U-18プレミアリーグEASTでは全22試合中18試合に出場し10得点を記録。前橋育英高校のオノノジュ慶吏(現:慶應義塾大学)、柏レイソルU-18のワッド・モハメッド・サディキ(現:ギラヴァンツ北九州)と並んで得点王に輝いた。
2年目の2025年には日本クラブユース選手権(U-18)で6試合6得点1アシストを挙げ、ここでも得点王。そして同年4月29日、16歳9カ月14日で明治安田J1リーグのピッチを踏み、クラブ史上最年少記録を樹立した。
さらに2026/27シーズンのJ1リーグにて開幕スタメンを飾る。18歳23日という年齢は内田篤人に次ぐクラブ2番目の年少記録で、高校3年生ながら堂々たる振る舞いを見せた。
【“見つけられなかった才能”のセーフティネットとして…】
Jクラブのアカデミーのセレクションからはこぼれてしまったが、FC多摩ジュニアユースの選手輩出実績は一般的な町クラブとは一線を画すものだ。
現在チームメイトである関川郁万、J1百年構想リーグまで同僚だった師岡柊生らは吉田の先輩にあたり、そのほか多くのJリーガーがこのクラブを経由している。吉田のひとつ上の学年には、現在ベガルタ仙台に所属する古屋歩夢がいた。
FC多摩の公式サイトでは、ジュニアユースの主な進路先として東京のチームのほかにも青森山田高校やサガン鳥栖U-18など、全国津々浦々の名門の名前があがっている。
現在の吉田に関して、中学時代に挫折した面影を感じられない。そうした“見つけられなかった才能”のセーフティネットとして、様々な門戸が存在するのが日本サッカーの強みとも言える。