ジュビロ磐田に今季リーグ戦初のクリーンシート勝利をもたらしたのは、途中出場の川合徳孟だった。61分にピッチへ入り、わずか13分後に決勝ゴール。だが、本人が求めているのは一度の結果ではない。右サイドハーフ、トップ下、そして再びサイドへと役割を変えながら、守備でもチームを支えた。U-20日本代表での経験も経て、「チームを勝たせる選手」へと変わろうとしている20歳は、甲府戦で何を示したのか。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
月額最安値で視聴するならDMM×DAZNホーダイ[PR]
2026/27明治安田J2リーグ第6節
ヴァンフォーレ甲府 0-1 ジュビロ磐田
JIT リサイクルインク スタジアム
試合を動かした川合徳孟
ジュビロ磐田がヴァンフォーレ甲府を1-0で下した一戦で、勝敗を分けるゴールを奪ったのは、途中出場の川合徳孟だった。
0-0で迎えた61分、小原基樹に代わってピッチに入ると、同74分に均衡を破った。
磐田が甲府陣内に押し込んだ状況から、中央に流れた右サイドバックの桑原航太を経由して左サイドハーフの為田大貴へ。為田がボールをキープして時間を作り、川合へパスを送った。
受けた川合は縦へ運び、ペナルティエリア右手前から右足を振り抜く。低い弾道のシュートがGK東ジョンの反応を破り、ゴール左のサイドネット内側を揺らした。
「最初からゴールは意識していましたし、積極的にシュートを打とうという気持ちで試合に入りました。自分の得意な形だったので、シュートを打とうと決めて、あのようなゴールにつながって良かったです」
コースはしっかりと見えていた。練習から意識してきた形を、試合でも結果につなげた。
「シュートコースもしっかりと見えていましたし、練習でも意識してやっていたので、それを試合で出すことができて良かったです」
昨年の甲府戦でもゴールを決めており、そのイメージも残っていた。
川合徳孟が向き合ってきた課題
「昨年のいいイメージはありましたし、それが今日のゴールにもつながったと思います。しっかりと決め切ることができて良かったです」
川合が最初に入ったのは右サイドハーフだった。秋葉忠宏監督からは、攻撃では相手の間でボールを受け、守備では中央を締めることを求められた。
「最初は右サイドハーフに入って、間のスペースでボールを受けることと、守備ではしっかりと間を締めて、守備から試合に入るように言われました」
73分に乾貴士が下がると、川合は10番の位置へ移った。秋葉監督は、ゴールに向かって仕掛けていける選手として乾とともに川合の名前を挙げている。
前を向いてボールを運び、自ら攻撃のリズムを作りながらフィニッシュまで持ち込めることは、川合の持ち味でもある。
それだけではない。先制後には、味方が相手陣内で失ったボールに素早く反応して奪い返し、再び攻撃につなげる場面もあった。
守備は川合が以前から課題として向き合ってきた部分だ。
特に意識しているのが、前線からどのタイミングでスイッチを入れるか。乾のプレーも参考にしながら、自らが守備のきっかけを作る重要性を感じてきた。
甲府戦では、そうした意識が先制後のプレーにも表れていた。
一方で、複数の選手交代によって配置が変わる中では、ベンチからの指示とピッチ内の認識がかみ合わない時間もあった。試合中には秋葉監督が川合を呼び、直接確認する場面も見られた。
U-20日本代表で2アシストも。反省点は…
「外からの指示と中の認識で、少し混乱した部分がありました。監督も試合後に話していましたが、誰がどこに入ってくるのかという意図をしっかり感じなければいけないと思いますし、コミュニケーションも大事です。ああいう混乱する時間がなくなるように、そういった課題も改善していきたいです」
得点という結果を残した一方で、試合の中で生じた問題にも目を向けていた。
甲府戦の直前まで、川合はU-20日本代表として「AFC U20アジアカップ中国2027予選」を戦っていた。
日本は3戦全勝。川合も2試合に先発して2アシストを記録したが、自身は得点できなかったことを反省点に挙げている。
代表活動へ向かう前から意識していたのが、ピッチに立ったときに結果を残すことだった。年代別代表ではチームを引っ張る役割も意識し、自分の特徴を出すだけでなく、チームを勝たせられる存在になることを求めていた。
磐田に戻って最初の試合で、その言葉に重なる結果を残した。
「本当に得点やアシストでチームに貢献したいという気持ちは強かったですし、やっと自分がゴールを決めてチームを勝たせることができて、すごく嬉しいです。ただ、これに満足せず、毎試合こういうプレーができるようにしていきたいです」
試合終盤、甲府が同点を目指して前線にパワーをかけてくると、川合は再びサイドハーフへ。自陣での守備にも対応しながら、1点のリードを守る役割を担った。
秋葉監督はこの時間帯について「最後は理屈ではない」とした上で、「何がなんでも守るんだとか、何がなんでも点を取らせないみたいな、メンタリティー、執念、執着を出してくれました」と評価した。



