ジュビロ磐田に今季リーグ戦初のクリーンシート勝利をもたらしたのは、途中出場の川合徳孟だった。61分にピッチへ入り、わずか13分後に決勝ゴール。だが、本人が求めているのは一度の結果ではない。右サイドハーフ、トップ下、そして再びサイドへと役割を変えながら、守備でもチームを支えた。U-20日本代表での経験も経て、「チームを勝たせる選手」へと変わろうとしている20歳は、甲府戦で何を示したのか。(取材・文:河治良幸)[2/2ページ]
「毎試合こういうプレーができるように」
磐田はそのまま1-0で試合を終え、今季リーグ戦初のクリーンシートを達成した。川合も無失点を続けていくことの重要性を口にする。
「今季初のクリーンシートでしたし、点を取られないことは勝つために大事なことです。まずはそこを続けながら、内容にもこだわって、前半から90分を通してアグレッシブに守備をしていきたいです」
ただ、無失点で勝ったことだけで十分とは考えていない。攻撃では、さらに得点を奪える場面があったと振り返った。
「もっと点を取れたシーンもあったと思うので、そういう場面を逃さず決め切れば、毎試合勝てると思います。課題が残った部分も改善しながらやっていければと思っています」
秋葉監督も「3点、4点、5点と取って、ゼロで勝つというフットボールを展開したい」と、さらに得点を重ねることを求めている。
川合が以前から課題の一つに挙げているのが、パフォーマンスの波を小さくすることだ。だからこそ、甲府戦後に語った「毎試合こういうプレーができるように」という言葉が次の基準になる。
右サイドハーフで試合に入り、10番へ移って決勝点を奪い、ユーリ・ララを中盤に投入し、4-3-3にチェンジした終盤には再びサイドで守備の役割を担った。
甲府戦で結果とともに示したプレーを、次の試合でも出せるか。
川合が求めてきた「チームを勝たせる」ための取り組みは、その積み重ねの先にある。
(取材・文:河治良幸)
【著者プロフィール:河治良幸 フリーライター】
東京都出身。サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当し、プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。セガ『WCFF』の選手プロフィールを担当。著書に『勝負のスイッチ』『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』『サッカー番狂わせ完全読本ジャイアントキリングはキセキじゃない』がある。TwitterIDは@y_kawaji
【関連記事】
「もっと変わらないといけない」。新キャプテン藤原健介が開幕戦で感じたジュビロ磐田の変化と、勝たせる責任【コラム】
“期待の若手”では終わらない。ジュビロ磐田の19歳副主将・川合徳孟が乾貴士から学ぶ「ちょっとしたところ」【コラム】
38歳・乾貴士が体現した「ジュビロらしさ」。攻守のスイッチを入れ続けた90分「誰が取ってもいいので」【コラム】
【了】


