サッカーU-21日本代表は20日、第20回アジア競技大会のグループリーグ第2節でキルギスと対戦し7-0で勝利した。この一戦について、長年にわたり日本代表やJリーグを取材し続けてきた名物記者の藤江直人氏に随時話を聞いた。(語り手:藤江直人)[4/5ページ]
「パリ五輪出場選手で先のW杯北中米大会に出場した選手はゼロ」
――試合が終わりました。いかがでしたか?
「後半もしっかりと追加点をあげて、ともに準々決勝進出を決めたU-23タイ代表と勝ち点6で並びながら得失点差で大きくリードした点を含めて素晴らしい内容と結果だったのではないでしょうか。23日のタイとのグループステージ最終戦は引き分けでも1位突破は決まります。1位突破同士ならU-23韓国代表とは決勝まで当たらないので、その流れでいって決勝でリベンジを果たしてほしいですね。
もうひとつ注目なのは、アジア競技大会経由で2年後のロス五輪出場を目指していく戦いですね」
――最も印象に残った選手はいましたか?
「横山と大関、そして中島でしょうか。ピンチらしいピンチがなかったので、どうしても7ゴールをあげた攻撃陣に目がいってしまい恐縮ですが。
五輪の話をすれば、前回の杭州アジア競技大会代表から2024年のパリ五輪代表に入ったのがわずか2人、佐藤恵允と関根大輝の2人だけだったので。アジア競技大会の男子サッカーに年齢制限が設けられ、2年後の五輪を見すえてU-21代表で出場してきた2002年の釜山アジア競技大会以降で最少でした」
――前回は最少だったんですね…
「そして、パリ五輪出場選手で先のW杯北中米大会に出場した選手はゼロ。今回の出場選手たちがどんどん突きあげて、五輪世代やA代表に刺激を与えてほしいですね」
――パリ五輪世代はそうでしたね。A代表はまだ東京五輪世代が中心で、久保もW杯後に僕らを脅かす選手が出てきてほしいと言っていましたね。
「久保の指摘通りだと思います。突きあげなくして成長なし、ですからね。その意味で荒木が『今シーズン中にA代表に入りたい』と語っているのは頼もしい限りです」
――荒木のような思いをもった若手が多いといいですね。
「途中出場したDF市原吏音もA代表入りを公言してはばからないですし、貪欲に上、上を目指す選手たちと同じ時間を共有した他の選手たちの視線が上がっていくのがこの世代の楽しみです」
――そうですね。アジア競技大会含め、この世代を注目していきましょう。
「そうですね! ちなみに釜山アジア競技大会代表から2006年W杯・ドイツ大会代表には茂庭照幸と駒野友一が、2014年仁川アジア競技大会代表から2018年W杯・ロシア大会代表には遠藤航と大島僚太、植田直通が、2018年のジャカルタアジア競技大会代表からは森保一監督のもとで東京五輪をへて板倉滉、三笘薫、上田綺世、前田大然が2022年のW杯カタール大会代表に名を連ねています」
――本日はありがとうございました。
▽語り手:藤江直人
1964年、東京都渋谷区生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後の1989年に産経新聞社に入社。サンケイスポーツでJリーグ発足前後のサッカー、バルセロナ及びアトランタ両夏季五輪特派員、米ニューヨーク駐在員、角川書店と共同編集で出版されたスポーツ雑誌「Sports Yeah!」編集部勤務などを経て07年からフリーに転身。サッカーを中心に幅広くスポーツの取材を行っている。サッカーのワールドカップは22年のカタール大会を含めて4大会を取材した。
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