
立て直し急務!5大リーグ、日本人所属の不調チーム5選【写真:Getty Images】
欧州サッカー5大リーグには、日本人選手が所属しながら開幕から低迷するクラブが少なくない。混沌とする戦いのさなか、先発落ちに苦しむ選手もいれば、逆境で輝く選手もいる。今回は5クラブの不振の実情と、そこに立つ日本人選手の今を追った。*成績は9月18日時点のもの [2/5ページ]
バレンシア

クラブへの批判を行うバレンシアのサポーター【写真:Getty Images】
所属日本人:佐藤龍之介
リーグ順位:17位
成績:1勝1分4敗(第6節終了時点)
【監督とCEOを電撃解任】
佐藤龍之介が所属するバレンシアは、2026/27シーズン開幕から5試合で1分4敗、1得点10失点と、深刻な不振に陥った。
開幕戦こそセルタ・デ・ビーゴと0-0で引き分けたが、その後は4連敗。ホームでバルセロナに0-5の大敗を喫すると、続く第5節のセビージャ戦(アウェイ)にも0-1で敗れ、最下位に沈んだ。
この結果を受け、クラブは現地時間9月13日、カルロス・コルベラン監督とフットボールCEOのロン・ゴウレイ氏の解任を正式発表した。コルベランは7月6日に2028年までの契約延長が発表されていたが、それから約2か月でチームを去ることになった。
新たなスポーツディレクターには、2010〜13年にも同職を務めたブラウリオ・バスケス氏を招聘した。前所属のオサスナの発表によると、バレンシアが支払う契約解除金は29万ユーロ(約5220万円)。クラブは公式声明で、スポーツ部門とその運営体制を刷新し、安定した競争力のあるチームづくりを進める方針を示した。
夏の補強も、開幕からの結果には結びつかなかった。データサイト『Transfermarkt』によると、バレンシアはジェンク・オズカジャルをトラブゾンスポルへ175万ユーロ(約3億1500万円)で売却。エライ・キュマルト、ティエリー・コレイア、バプティスト・サンタマリアも移籍金なしで退団した。
一方、アルナウ・マルティネスをジローナから500万ユーロ(約9億円)、佐藤をFC東京から400万ユーロ(約7億2000万円)で獲得した。この2人以外は移籍金フリーでの加入、もしくは下部組織からの昇格である。移籍金収支は725万ユーロ(約13億円)の支出超過となった。
レアル・マドリードやバルセロナのようなビッグクラブに比べると小さな金額だが、直近5シーズンの移籍市場においては、選手の売却益が支出を下回ったのは今夏だけである。
【新指揮官候補には元日本代表監督の名前も】
サポーターの不満も高まっていた。スペイン通信社『EFE』によると、9月6日のバルセロナ戦終了後には、約2000人が本拠地メスタージャの外に集まり、クラブ運営や成績に抗議。選手を「傭兵」と非難する声が上がったほか、試合中にもオーナーのピーター・リム氏の退陣を求める声が響いた。
それでも、コルベラン解任から2日後の現地時間9月15日、チームはようやく今季初白星をつかんだ。VCFメスタージャ(バレンシアのリザーブチーム)の監督を務めるオスカル・サンチェスが暫定的に指揮を執り、アウェイでアラベスと対戦。78分にルイス・リオハが決勝点を挙げ、1-0で勝利した。
ただし、今夏FC東京から加入し、クラブ史上初の日本人男子トップチーム選手となった佐藤にとっては、出場機会を得られない一戦となった。
加入後はリーグ戦で先発出場も重ねていた佐藤だが、アラベス戦では今季2度目のベンチスタートとなり、最後まで出番は訪れなかった。加入後初めて出場せずに試合を終え、チームの初勝利をベンチから見届けた。
この1試合だけで序列の低下を断定することはできないが、監督交代によって起用法が変わる可能性はある。新体制でどのような役割を与えられ、出場機会を確保できるかが注目される。
正式な後任監督の選定も、チームと佐藤の今後を左右する。解任前の9月7日には、スペインメディア『Fichajes.net』がティアゴ・モッタ、エドゥアルド・クデット、ハビエル・アギーレを後任候補として報じていた。クラブがどの指揮官に立て直しを託すのか、引き続き注目が集まる。
スポーツ部門の刷新とチームの立て直し、そして佐藤自身の出場機会の確保。不振から抜け出そうとするバレンシアで、日本の若きアタッカーは流れを変える存在になれるだろうか。