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「自分たちがやられたようなことを相手にできた」。町田相手に1G1A、小泉佳穂が感じた柏レイソルの進化【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 フリーライター photo by Getty Images

柏レイソルMF小泉佳穂
柏レイソル 小泉佳穂【写真:Getty Images】



 柏レイソルは20日、FC町田ゼルビアとの上位対決を4-2で制した。今年前半のJ1百年構想リーグでは2度敗れていた難敵を相手に、1ゴール1アシストを記録したのが小泉佳穂だ。過密日程の中でも主導権を握り、これまで苦しめられてきた相手を上回った柏。そのピッチ上で小泉は、チームの確かな変化を感じ取っていた。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]

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【2026/27明治安田J1リーグ第8節】
2026年9月20日 FC町田ゼルビア 2-4 柏レイソル
(町田GIONスタジアム)

連戦のなかでも“らしさ”を発揮した柏レイソル

柏レイソル リカルド・ロドリゲス監督
雨の中、ずぶ濡れになりながら選手を鼓舞するリカルド・ロドリゲス監督【写真:Getty Images】



 26/27シーズン開幕から上位争いを繰り広げてきたFC町田ゼルビアと柏レイソル。

 第7節終了時点では町田が首位、柏が3位。20日の直接対決で柏が勝てば順位が入れ替わる。そういう意味でも、柏にとっては非常に重要な一戦だった。

 柏は今週からAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)が開幕。16日のリーグステージ初戦ではアウェーで全北現代と対戦し、惜しくも1−2の黒星を喫している。そこから移動を伴う中3日で豪雨のGIONスタジアムに赴く日程だけに、難しさはあったはずだ。

「連戦だし、スケジュール的にもすごく移動が多い。町田戦も1時間以上の移動があったので、厳しい中でもパフォーマンスを維持しないといけない」

 全北戦から連続スタメンの小泉佳穂は、高い意識を持って大一番に向かったという。

 序盤からボールを握ったのは柏だった。

「柏とやるときはいつもこうなる」

 町田のキャプテン・昌子源が話した通り、悪天候の中でも人とボールが連動するパスサッカーを見せ、相手を押し込んでいく。

「お互いにいい関係を築きながら前進することができていた」

 中盤の統率役である背番号8も、手ごたえを感じながらゲームを進めていた。

 だが、前半38分にGKのフィードを相手にカットされ、そこから持ち込まれて相馬勇紀の一撃を浴びる。0−1のビハインドで前半を折り返し、嫌なムードも漂うなか、リカルド・ロドリゲス監督は早い時間帯で追いつくべく、瀬川祐輔と渡井理己を後半頭からダブル投入。この采配が的中し、後半8分に同点弾が生まれる。

難敵・町田を崩した小泉佳穂の縦パス

柏レイソル 瀬川祐輔
柏レイソル 瀬川祐輔と小泉佳穂【写真:Getty Images】



 それを演出したのが小泉だった。中盤から放った縦パスが瀬川に見事に通ると、背番号20は岡村大八の背後を取って抜け出し、角度のない位置からゴール。これでチーム全体が勢いに乗る。

「瀬川くんが入ったときはああいうパスをすごく心がけていた。相手は5バックで横の揺さぶりには強いけど、タテにはあまり強くないので。自分が前向きでパスを出せるのは、チームとしてスムーズに前進できているから。そこが今日のポイントだったと思います」

 小泉はそう冷静に振り返る。

 その5分後にはCKから遠藤渓太のスーパーゴールが決まり、柏が逆転。直後に町田は下田北斗を投入したが、下田の足裏が小泉のふくらはぎに入り、一発退場となる。ここから柏は数的優位に立った。

 その利点を生かし、後半20分には瀬川がペナルティエリア内で仕掛ける。すると、空いたスペースに飛び込んできた小泉がゴールを決め、試合を決定づける3点目を奪う。

「瀬川くんが人を集めてくれたので、自分のところに時間ができた。渓太のゴールもそうですけど、ミドルとかゴール期待値が低いシュートを決められると楽。そこは決め切れた自分にも満足しています」

 1ゴール1アシストの大仕事を果たした背番号8は、自身のプレーにも手ごたえを示している。

 結局、柏は4−2で勝利。今年前半のJ1百年構想リーグで2敗していた町田をシュート6本に抑え込んだ。リカルド監督も「私がレイソルの指揮を執り始めてから最も素晴らしい試合の1つ」と胸を張るほどの内容で勝ち切り、チームの進化を印象づけた。

「自分たちがやられたようなことを相手にできた」

柏レイソルDF馬場晴也
柏レイソルDF馬場晴也【Getty Images】



「明確なポイントがあって、それはあんまり言いたくないんですけど、自分たちは町田とやってることが似ている側面もあったりするので、自分たちがやられたようなことを相手にできたのはすごく大きかったと思います」

 小泉はこう語った。そのポイントの1つが右サイドの連動性だろう。この日は3バック右の馬場晴也、右ウイングバック(WB)の久保藤次郎、右シャドーの小泉が絡みながら相手を押し込み、町田の左サイドに思うような形を作らせなかった。

 町田も3バック左の昌子、左WBの中村帆高、左シャドーの相馬によるトライアングルを強みとしている。そこから起点を作りたかったはずだが、今回に限っては十分に機能させることができていない。もちろん、明本考浩が出場停止だったことでやりづらさはあったのかもしれない。一方の柏も原田亘を欠いており、両チームとも本来の主力を一部欠く状況だった。その中でも柏はポジショニングや連動性で優位性を作っており、小泉もそのあたりに手ごたえをつかんだのではないか。

「右サイドに関して言うと、馬場ちゃんがすごいよかったですね。馬場ちゃんと藤次郎の2人で右サイドが成り立っていた。そこは本当に頼もしい」

 小泉はそうチームメイトを称賛する。誰が出ても一定の戦いができる選手層が生まれつつあることは確かだ。

 今季の柏がここまで勝利してきた相手は、J1昇格組の水戸ホーリーホックやV・ファーレン長崎、下位にいる東京ヴェルディ、清水エスパルス、京都サンガだった。今季ここまで上位争いを続けている相手から挙げた勝利という意味でも、町田戦の1勝は大きい。

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