
サッカー日本代表 上田綺世【写真:Getty Images】
今回の代表活動で4戦4発と存在感を示した上田綺世。日本代表のエースとして結果を残す一方、今シリーズでは後輩FWたちに積極的にアドバイスを送った。2度のワールドカップ(W杯)を経験し、欧州5大リーグで戦う28歳のストライカーに、これまでとは異なるリーダーとしての顔が見え始めている。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
「彼らも同じステップがある」2度のW杯を経て変わった立ち位置
後藤啓介や塩貝健人など、若手の存在を気にかける【写真:Getty Images】
「後藤啓介は普段からプレーの悩みを話してくることもありましたし、海那くんも僕がどういうフィーリングでプレーしているのかとかを全然オープンに聞いてきてくれましたね」と彼は明かす。
そのうえで、「彼らは特徴を生かして結果を残すことで存在価値を示せる。それが僕よりいいと思われれば、僕より使われるようになる。僕も長い時間かけて結果を残して、今こうやって出場時間をもらえている。
彼らも同じステップがあるんです。後藤や健人がその時間がかかるのか、すぐなのかは分からないですけど、結果を残して信頼を勝ち得ていくというプロセスが必要だと思います」と自身の経験を踏まえて、背中を押していたのだ。
そうすることが、日本代表、日本サッカーのさらなる強化につながると分かっているからこそ、上田はFWグループとしての成長に注力している。そうやって仲間をリードしようという姿勢は北中米ワールドカップ(W杯)まではあまり見られなかった点だ。
2度のW杯を経験し、欧州5大リーグにステップアップして28歳になった今、彼は単なる1ストライカーではない。
日本の攻撃陣全体を率先して底上げしていく立場になったのだ。同い年の堂安がキャプテンと10番という重責を背負っているのだから、彼も一緒にその仕事を遂行していこうという思いもあるだろう。
いずれにしても、上田に目に見えるリーダーシップが生まれたのは朗報以外の何物でもない。
ここからリールに戻り、オリヴィエ・ジルーから世界トップFWたるノウハウを学び、11月のシンガポール遠征、1月のアジアカップで、さらに進化した姿を見せてほしい。
そこで森保監督がまだ手にしていないアジア王者の座をともにつかみ取れれば理想的だ。上田綺世の進化はこの先も際限なく続いていく。
(取材・文:元川悦子)
【著者プロフィール:元川悦子 フリーライター】
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2022年カタール大会まで8回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
英国人が見たサッカー日本代表対ニュージーランド代表「最近ラグビーあったか!?」新戦力で「絶対生き残れない選手も…」
FIFAランキングが更新、NZに勝利の日本代表はアジア首位をキープ 韓国代表はランクダウンの可能性
サッカー日本代表、久保建英と堂安律の共存は難しいのでは? “アドリブ”だけでは崩せない。左利きコンビの限界
【了】
