
柏レイソル 小泉佳穂【写真:Getty Images】
歯車が噛み合わなかった。柏レイソルは17日、明治安田J1リーグ第10節で名古屋グランパスに1-3で敗れ、首位から陥落した。小泉佳穂への徹底マーク、攻撃時のポジショニング、そしてボールを失った瞬間の守備。名古屋の積極的なマンマークとプレッシングによって浮き彫りになったのは、柏が武器としてきた流動性の裏側に潜む課題だった。優勝を目指すチームにとって、この敗戦をさらなる進化に向けた「レッスン」とすることができるだろうか。(取材・文:高橋大地)[1/3ページ]
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【2026/27 明治安田J1リーグ 第10節】
2026年10月17日 柏レイソル 1-3 名古屋グランパス
(三協フロンテア柏スタジアム)
最終ラインを離れて小泉を追う高嶺。名古屋の明確な狙い

柏レイソルの細谷真大と競り合う名古屋グランパスの高嶺朋樹【写真:Getty Images】
名古屋のミハイロ・ペトロヴィッチ監督には、明確な狙いがあった。
「柏さんを自陣に引き込んでカウンターを狙うチームも多いと思います。ただ、私はそれは間違いというか、かえって試合を難しくしてしまうと考えていました」
そう考えた指揮官は、マンツーマンを基調とした積極的なプレッシングを選択した。
「柏さんのような選手たちに時間を与えると、いいパスを出されたり、いいコンビネーションを見せられたり、シュート、クロス、相手がどんどん出てくるので、その時間を与えないこと」
指揮官の狙いを象徴していたのが、小泉佳穂への対応だった。
名古屋の左センターバックとして出場した高嶺朋樹は、小泉をマンツーマンで監視。時には最終ラインを離れ、かなり高い位置まで追いかける場面もあった。柏の攻撃を動かす中心選手に、徹底して自由を与えない構えだった。
開始6分、その狙いが結果につながる。小泉がボールを奪われたところから名古屋が攻撃に転じ、内田宅哉が先制ゴールを決めた。
ただし、柏はこの失点を小泉一人の問題として片づけるべきではない。
小泉がボールを失った場面では、右センターバックの戸嶋祥郎が前方へオーバーラップしていた。攻撃に厚みを加えるための動きだったが、ボールを失えば、その背後に大きなスペースが生まれる状況でもあった。
名古屋は戸嶋が攻め上がったスペースをそのまま利用した。この場面では右ボランチの小西雄大が対応したものの、クロスを上げられ、失点につながった。
センターバックが前へ出ること自体は、柏の流動的な攻撃を支える重要な要素である。しかし、ボールを失う可能性がある状況で前進すれば、その背後には大きなリスクが生じる。ボールの失い方の悪さがそのまま失点につながった場面だった。
さらに、その失点シーンで負傷したGK若原智哉が、脳振盪の疑いで13分に交代を余儀なくされた。若原は前節のヴィッセル神戸戦でも脳振盪の疑いで交代しており、2試合連続で同様のアクシデントに見舞われる不運となった。
それでもリカルド・ロドリゲス監督は、早い時間帯でのGK交代について「決して我々に大きな影響を与えたかというと、そうではないと思います」と語っている。