フットボールチャンネル

J1 2026.10.22 13:01

「どこに勝っても勝ち点3」柏レイソル、25日間8試合の過密日程。目の前の勝利と選手の疲労度…指揮官に迫る難しい選択【コラム】

柏レイソル リカルド・ロドリゲス監督と村松尚登通訳
柏レイソル リカルド・ロドリゲス監督と村松尚登通訳【写真:Getty Images】



 明治安田J1リーグ第11節、柏レイソルはアウェーでFC東京と対戦し、0-0で引き分けた。前半は相手の縦パスに苦しみ、ハーフタイムには3人を交代。しかし、リカルド・ロドリゲス監督は守備で苦しむ可能性を認識したうえで、この先発11人を選んでいた。14日からの25日間で8試合。AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)やタイ遠征も挟む過密日程のなか、選手の回復と勝ち点3をどう両立させるのか。優勝争いを続ける柏が直面する難しい選択とは。(取材・文:高橋大地)[1/3ページ]


JリーグはDAZNで全試合ライブ配信!
月額最安値で視聴するならDMM×DAZNホーダイ[PR]


【2026/27 明治安田J1リーグ 第11節】
2026年10月21日 FC東京 0-0 柏レイソル
(味の素スタジアム)

分断されたシャドーとボランチ。FC東京に許した縦パス


FC東京FW長倉幹樹をチェックする柏レイソルMF小西雄大【写真:Getty Images】



 記者席から見下ろした前半のピッチは、どこかアンバランスだった。

 FC東京は2トップと両サイドの計4人を高い位置に配置。左センターバックの稲村隼翔らが、前線へ次々に縦パスを供給していた。

 一方、柏は守備時に2枚のシャドーとボランチの距離が開き、FC東京のセンターバックからの縦パスを十分に制限できない。相手の2ボランチもプレッシャーを受けずにボールを拾う場面が目立ち、セカンドボールの回収でも後手に回った。

 リカルド・ロドリゲス監督は試合後、前半の問題点をこう振り返っている。

「FC東京の2センターバックからのくさびのパスを容易に刺されてしまっていました。そこから苦しい展開が続いていたので、その部分を修正した」

 試合全体のパス数はFC東京の614本に対して柏が480本。柏のボール保持率は46%だった。一方、走行距離では柏が121.6kmを記録し、FC東京の118.0kmを上回っている。

 決して走れていなかったわけではない。だが、相手の前進を阻止できず、守備に追われる時間が長くなった。ボールを奪っても、そこから攻撃を組み立てることに苦労していた。

 守備時のボランチの立ち位置にも、前半と後半で違いがあった。小西雄大はこう説明する。

「前半はボランチが落ちる形が多かったですけど、後半は少し変えて、後ろでスライドしてもらって、ボランチが残るシーンもあった。そっちの方がしっくりくる時間が長かったので、うまく使い分けられたらいいと思います」

 前半は相手の前線への対応でボランチが後方に下がり、中盤で相手にプレッシャーをかけにくい状況が生まれていた。後半は最終ラインの選手がスライドして対応することで、ボランチが中盤に残れる場面が増えた。

 後方のスペースを埋めながら、いかに前にも出ていくか。守備のバランスを修正したことで、柏は後半、前半よりも良い状態でボールを奪えるようになった。

 しかし、前半に守備で苦しんだことは、指揮官にとって必ずしも想定外ではなかった。

守備で苦しむ可能性も承知の上。過密日程が迫る選択

 柏は17日の名古屋グランパス戦から先発4人を変更した。GKには永井堅梧、左センターバックには三丸拡、左シャドーには汰木康也、左ウイングバックには弓場堅真を起用した。

「名古屋さんの守備の形から、強度が高く、走行距離も長い試合展開となり、多くの選手が疲労していたというのがあります。同時に土曜日にはすぐ鹿島戦も控えていますし、その後にまた中2日でアウェーへの遠征というのもあります」

 リカルド監督が言及したように、ここから柏にはさらなる過密日程が待ち受けている。

 14日のACLEポートFC戦から17日の名古屋戦、21日のFC東京戦、24日の鹿島アントラーズ戦、27日のラーチャブリーFC戦へ。さらに31日の浦和レッズ戦、11月3日の大田ハナ・シチズン戦、7日の川崎フロンターレ戦と続く。

 25日間で8試合。国内リーグとACLEを並行し、タイへの遠征も挟む。FC東京戦から11月7日までは、中2日か中3日で試合を戦い続けなければならない。

 リカルド監督は、小泉佳穂らの疲労だけでなく、久保藤次郎や遠藤渓太の負担、負傷明けの原田亘の出場時間なども考慮しながら、選手起用を判断していた。

 そのうえで、FC東京戦の先発11人について興味深い説明をしている。

「先発の11人を決めるにあたって、より攻撃的な11人になったので、今日は攻撃のところを期待する一方で、守備のところで若干苦しむ可能性もあるのではないか。そこは理解した上で、この11人を選んだというのがあります」

 指揮官は選手のコンディションと戦術的なバランスを踏まえ、一定のリスクを受け入れていた。

 目の前の試合で勝つための選択と、その先の連戦を乗り切るための選択は、必ずしも一致しない。主力を使い続ければ疲労は蓄積する。一方で、選手を入れ替えれば、チーム全体の攻守のバランスも変わってくる。

 過密日程の影響は、選手の疲労だけにとどまらない。戦術的な準備に割ける時間も限られる。

 小西も名古屋戦後、中2日の連戦では練習時間が限られ、戦術面を十分に詰めることが難しいと語っていた。キャンプから積み上げてきたものはあるが、対戦相手に応じた細かな確認や修正には時間が必要だ。

 しかし、試合後は選手の回復も優先しなければならない。連戦では、選手起用だけでなく、戦術的な準備にも制約が生じる。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top