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J1 2026.10.22 18:00

「負けに等しい引き分けかな」2-0から2-2。横浜F・マリノスの宮市亮が示した危機感と副キャプテンとしての責任「みんなが同じ船に乗ってるんだ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 竹中愛美 photo by Getty Images

横浜F・マリノス 宮市亮

横浜F・マリノスの宮市亮【写真:Getty Images】



 横浜F・マリノスの宮市亮が、10月21日の明治安田J1リーグ第11節・東京ヴェルディ戦で今季2ゴール目を決めた。左足を振り抜いて先制点を奪ったが、チームは2点のリードを守り切れず、2-2の引き分けに終わった。試合後、宮市の口から出たのは、自身のゴールへの喜びではなく、勝ち切れなかった悔しさだった。今季から副キャプテンを務める背番号23は、何を思い、チームをどこへ導こうとしているのか。(取材・文:竹中愛美)[1/2ページ] 

【2026/27明治安田J1リーグ第11節】
2026年10月21日 横浜F・マリノス 2-2 東京ヴェルディ
(MUFGスタジアム)

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自らのゴールよりも、勝ち切れなかった悔しさ

横浜F・マリノス 宮市亮 26年10月21日 第11節・東京ヴェルディ戦で先制ゴールを奪い、喜びを爆発させる

宮市亮は東京ヴェルディ戦で強烈なミドルシュートを放ち、先制ゴールを決めた【写真:Getty Images】


 迷いなく振り抜いた左足が、ゴールネットを揺らした。

 横浜F・マリノスが東京ヴェルディをホームに迎えた10月21日の明治安田J1リーグ第11節。23分、松村晃助からパスを受けた宮市亮は、勢いよく左足を振り抜く。相手GKマテウスが触れながらも止め切れない強烈なシュートが決まり、マリノスが先制した。

 この日は右サイドハーフで先発。今季は左サイドを主戦場としてきた宮市だが、ジョルディ・クルークスを左に置き、自身は右からクロスを供給し、谷村海那に届ける役割を担った。

「きょうはちょっと中気味にポジションを取ってやっていこうというなかで、(松村)晃助も良いところを見て、前に出してくれたので。結局、中に入ってああいうシーンになると、逆足でも自信を持っているところがあるので、足を振ったら本当に良いところに飛んでくれました」

 試合開始早々には、クルークスのクロスに頭から飛び込む場面もあった。本人も「きょう行けそうだなっていう感じはあった」と振り返る。

「本当にここで足を振んないと何も残んないなと思ったので、アグレッシブに足は振りました」

 今季は開幕から出場機会を得ていたが、序盤は控えに回る時期もあった。9月6日の柏レイソル戦で今季初先発を飾ると、ゴールを挙げて勝利に貢献。その後も先発出場を続けている。

 ただ、試合後の表情に達成感はなかった。

「自分のゴールっていうよりもやっぱり、なんだろうな、負けに等しい引き分けかなと思います」

 マリノスは後半、右アキレス腱断裂という大怪我から復帰し、今季リーグ戦初先発となった遠野大弥が追加点を奪い、2-0とリードを広げた。

 しかし、終盤に2失点を喫して追いつかれた。リーグ戦7試合負けなし、公式戦10試合負けなしと結果を積み重ねてきたチームにとっても、手放しで喜べる勝ち点1ではなかった。

「このスタジアムで、鹿島(アントラーズ)戦もそうですし、(FC)町田(ゼルビア)戦のときも良い思い出がないなかで、2点リードしたなかでタイトルを目指すにはここで絶対に勝ち点3を取らないといけないのは、みんなもわかっていたし、僕自身も意識していました」

 タイトルを目指すからこそ、リードを守り切れなかった結果を受け止める必要があった。

「明るく元気に」。宮市亮が大切にするチームの雰囲気づくり

横浜F・マリノス 宮市亮

今年の宮崎キャンプで汗を流す宮市亮【写真:編集部】


 今季、宮市は副キャプテンに就任した。クラブキャプテンの喜田拓也、チームキャプテンの天野純とともに、チームを支える立場にある。

 宮崎キャンプでは、ベテランと呼ばれる年齢になってもフレッシュな気持ちでサッカーを楽しみ、チームの雰囲気づくりにも力を尽くしたいと語っていた。

「個人的にはベテランと言われる年にはなってきましたけど、まだまだ自分自身若いと思っているので、フレッシュに毎日サッカーを楽しんで、プレーしたいなと思います。そのなかでもポジティブになるような雰囲気作りというか、チームを作っていくことがタイトルにもつながっていくかなと思うので、明るく元気に、33歳も頑張りたいと思います」

 宮市は今年12月に34歳を迎える。自らが前向きにプレーするだけでなく、その姿勢をチーム全体に広げることも、タイトル獲得につながると考えている。

「もう本当にチームのタイトルに向けて、僕はやれることは何でもやるつもりですし、個人というところよりもチームのタイトルのために、自分がピースになれるように頑張りたいなと思います」

 個人の結果だけを追うのではなく、チームが勝つために何ができるのか。ヴェルディ戦でも、ゴールを奪うだけでなく、自陣まで戻ってボールを奪い、味方の前進を助ける場面があった。

 宮市がシーズン前に掲げていたのは、「全員で守備して全員で攻撃する」というチームの姿だ。自分の持ち味を発揮しながら、求められる役割を果たし、仲間とともに戦う。その姿勢は、ピッチ外での働きかけにもつながっている。

「みんなが同じ船に乗っている」。副キャプテンとしての働きかけ

横浜F・マリノス 宮市亮

「2026/27明治安田Jリーグ開幕イベント」で今季にかける思いを語っていた宮市亮【写真:編集部】


 8月の開幕前イベントでは、クラブ全体のつながりについても言及していた。社長や監督が新たに就任し、クラブが転換期を迎えるなかで、選手側からも積極的に働きかける必要があると感じていたという。

「社長も新しくなって、監督も新しくなって、マリノスにとっても転換期だと思います。選手側からもやっぱりもっともっと寄り添っていく必要があるなというところで、いろんな取り組みもしています」

 この時、宮市が課題として挙げたのは、クラブ内の各セクションのつながりだった。

「ここ近年のマリノスは、いろんなセクションが分かれすぎてたかなって。それぞれがプロフェッショナルとしてやっているけど、そこの横のつながりみたいなのがなかったかなと思うので、もう1度みんなが同じ船に乗ってるんだっていう思いでやっていくことが大事だと思います」

 選手だけで話し合う時間を毎朝設ける取り組みも、その一つだ。調子を落としてから話し合うのではなく、勝つために日々コミュニケーションを重ねる。監督の指示を受け入れるだけでなく、その意図を選手同士でも理解し、必要なことを自分たちからも働きかけていく。

 宮市は、こうした取り組みを一時的なものではなく、クラブの文化として根づかせたいと考えている。副キャプテンという肩書きがつく以前から、マリノスのために働いてきたという自負はある。それでも、役割を担う立場になったことで、ピッチ外でできることにも、より意識を向けている。

 ヴェルディ戦では、負傷から復帰した遠野がゴールを決め、木村卓斗も右サイドバックで存在感を示した。知念慶の負傷交代を受けて途中出場した山根陸も落ち着いてゲームを組み立てるなど、チームには前向きな材料もあった。誰か一人に得点を頼るのではなく、複数の選手が結果を残し、互いに競い合うことも、チーム全体の力を高めるうえで欠かせない。

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