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J1 2026.10.23 21:58

開幕8戦16失点から3試合連続無失点。それでも勝ち切れない鹿島アントラーズ、早川友基と鬼木達監督が語る課題【コラム】

早川友基 鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズの守護神・早川友基【写真:Getty Images】



 守備に改善の兆しが見えている。それでも、勝ち切れない。鹿島アントラーズは21日の京都サンガF.C.戦で、後半アディショナルタイムに逆転しながら、直後に追いつかれて2-2で引き分けた。開幕8試合で16失点を喫した昨季王者は、直前の公式戦3試合を無失点で終えていた。相手にシュートを打たせないために何が変わり、勝利をつかむために何が足りないのか。22日のオンライン取材でGK早川友基と鬼木達監督が語った言葉から、鹿島の現在地を考える。(取材・文:川崎ゆうき) [1/2ページ] 

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開幕8戦16失点。3試合連続無失点でも残った課題

早川友基 鹿島アントラーズ
V・ファーレン長崎戦のあとの早川友基【写真:Getty Images】


 2026/27シーズンの鹿島は守備面で苦しんでいたが、10月に入って状況は変わり始めている。

 9日のガンバ大阪戦を2-0、13日のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)・コンアン・ハノイ戦を1-0、17日のV・ファーレン長崎戦を2-0で制し、公式戦3試合連続のクリーンシートを達成した。

 ガンバ戦の86分にはデニス・ヒュメットとの1対1をセーブし、長崎戦では61分に抜け出した保田堅心のシュートを素早い間合い詰めから阻止した。

 とりわけハノイ戦では17本のシュートを浴びながら、早川が好セーブを連発した。1-0の最少得点差で勝利したことを考えると、「守護神が勝ち点を守った」という見方もできそうだ。

 21日の京都戦では2失点を喫したものの、守備陣全体ではまた別のポジティブな点もある。データサイト『FotMob』によると、京都のシュートはわずか3本で、ゴール期待値(xG)は0.33。鹿島は相手の攻撃機会を大きく制限していた。

「シュートまで行かせなくなってる」早川が語る前線からの守備

鹿島アントラーズ対京都サンガF.C.の模様
鹿島アントラーズ対京都サンガF.C.の模様【写真:Getty Images】



 早川も22日の取材で、守備の改善に手応えを示した。

「まずシュートまで行かせなくなってるシーンが増えたかなというふうに思います」

 その理由として挙げたのが、前線からのプレッシャーだ。

「攻撃の選手が前からプレッシャーをかけることで(相手に)蹴らせて、自分たちがしっかり回収する」

 前線の選手が相手に自由な組み立てを許さず、長いボールを選択させる。それを後方の選手が回収し、再び自分たちの攻撃へとつなげる。守備陣だけでなく、チーム全体で相手の攻撃を制限するという考え方だ。

 無失点だった直近3試合も、決して一方的に相手を抑え込んでいたわけではない。ガンバ戦では12本、ハノイ戦では17本、長崎戦でも16本のシュートを許している。

 だからこそ、京都戦で相手にほとんどシュートを打たせなかったことは、早川が語る変化を考えるうえで一つの材料となる。  

 早川自身も、プレーの感覚について「掴めてる部分」があるという。自身のイメージと実際のプレーをさらにすり合わせていきたいという言葉からも、前向きな手応えがうかがえた。しかし、その京都戦で鹿島は勝利を逃した。

 16分に先制されながら、78分にエウベルが同点ゴール。90+5分には松村優太が逆転弾を決めた。勝利まであとわずかという状況だったが、90+7分に新井晴樹のヘディングシュートで追いつかれ、2-2の引き分けに終わった。

 松村はまさに早川の言う前線からの守備を体現した選手のひとりであり、彼のゴールは相手にクリアされそうなところを詰め切ったことで生まれている。『FotMob』によると、この日の松村は両チームトップとなるインターセプト「3」を記録しており、得点の場面以外にも攻守にアグレッシブな姿勢を徹底していた。 

 相手の攻撃を制限するという意味では成果が見えた。それでも、最後の局面で失点を防ぐことはできなかった。

終了間際の失点で勝ち点4を失う。鬼木監督が指摘した問題

川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ
J1リーグ第8節・川崎フロンターレ対鹿島アントラーズ【写真:Getty Images】



 鹿島が勝ち越した直後に追いつかれたのは、今季初めてではない。

 9月19日の川崎フロンターレ戦でも、83分に松村が勝ち越しゴールを決めながら、90+7分に失点。3-3で引き分けた。  

 京都戦と合わせ、終了間際の失点で逃した勝ち点は4に上る。  

 鬼木達監督は22日の取材で、両試合の展開は異なるとしながらも、「ラストのシーンっていう意味では同じ意味合いもやっぱり持ってる」と認めた。  

 京都戦については、勝ち越した直後の相手のキックオフ時の配置、選手の立ち位置、時間の使い方などを改善点として挙げている。  

 リードした状況でどこにポジションを取り、何を優先するのか。22日にはチーム全体で考え方を再確認したという。

「相手に上回られてしまったのであれば仕方のない部分もありますが、自分たちのところで食い止められるのであれば、三度、四度起きてはいけないことだと思っています。そういうところはみんなで話し合って、共有させてもらいました」  

 早川も京都戦を振り返り、簡単にボールを後方へ下げないこと、選手それぞれが複数の選択肢を持つこと、必要に応じて時間を使うことを課題として挙げた。

 勝ち越した直後であっても、常に前へ急ぐ必要はない。ボールを失うリスク、残された時間、味方と相手の配置を踏まえてプレーを選択することが求められる。

 早川にしても最後の失点ときに前へ長いボールを放り込むのでなく、また違った時間の使い方はあったかもしれない。直後に京都ボールになったあとも、チーム全体のプレッシングが曖昧になってしまった。

 守備の連動性が高まり、相手の攻撃を制限できる場面が増えたとしても、試合の締めくくり方まで完成したわけではない。  

 ただ、京都戦の2失点だけをもって、守備全体の改善を否定することもできない。重要なのは、積み重ねてきた成果を維持しながら、勝敗を左右する局面で同じ過ちを繰り返さないことだ。

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