昨季はキャプテンを務めながら、今季はリーグ戦出場ゼロ。柏レイソルのDF犬飼智也が、浦和レッズ戦でついに先発のチャンスをつかんだ。過密日程のなか、リカルド・ロドリゲス監督は先発9人を変更する大胆な決断に踏み切り、チームは4-0で快勝した。出番がなくても準備を続け、若手の手本となってきた33歳。苦しい日々をどう乗り越え、チームを支えてきたのか。(取材・文:元川悦子)[2/2ページ]
犬飼智也を変えたかつての先輩たち
ただ、彼も最初からそういうキャラクターだったわけではない。
清水エスパルスで出番を得られず、2013年に松本山雅FCにレンタル移籍し、2014シーズンのJ1初昇格の立役者になった頃は、飯田真輝や大久保裕樹ら年長者についていくのが精一杯だった。
2018~2021年まで過ごした鹿島アントラーズ時代も小笠原満男という傑出したリーダーがいたし、2022~23年に在籍した浦和にも岩尾憲という人格者がいた。
そういう先人たちの背中を見て、多くを学んできたからこそ、犬飼は自分が試合に出られなくても、そういった立ち振る舞いができる。大人のフットボーラーへと変貌を遂げてきたのだ。
「もちろん悔しい思いは日々しているので。それを練習だったり、今日みたいな出番を通してチャンスをつかめるようにやっていきたい。
本当にやり続けるしかないので。自分らしく、自分ができることをしっかりと理解して、よさをつねに100%出せるような準備を続けること。それだけだと思います」
犬飼は改めてここからの巻き返しを誓った。
これを機に古賀と併用されるようになっていけば理想的。それが柏のさらなる進化につながるはずだ。
(取材・文:元川悦子)
▽語り手:元川悦子
1967年、長野県生まれ。94年からサッカー取材に携わり、ワールドカップは94年アメリカ大会から2026年北中米大会まで9回連続で現地に赴いた。「足で稼ぐ取材」がモットーで、日本代表は練習からコンスタントに追っている。著書に『U-22』(小学館)、『黄金世代』(スキージャーナル)、「いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁」(NHK出版)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)などがある。
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