
今季から川崎フロンターレでプレーするデリキ・ラセルダ【写真:佐藤智彦】
かつてジュニーニョ、レアンドロ・ダミアンら幾多のブラジル人ストライカーが躍動してきた川崎フロンターレの最前線に、新たな才能が名乗りを上げた。今季加入のデリキ・ラセルダが、ラザル・ロマニッチの負傷交代からの緊急デビューでゴールと2アシストを記録。4-2で終えたジェフユナイテッド千葉戦は、191cmの新戦力が主役の一戦となった。(取材・文:ショーン・キャロル)[1/2ページ]
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【明治安田J1リーグ第4節】
川崎フロンターレ 4-2 ジェフユナイテッド千葉
(Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu)
51分間の衝撃。鮮烈J1デビュー

川崎フロンターレのブラジル人選手たち【写真:佐藤智彦】
川崎フロンターレの最前線は、これまで幾人もの陽気なブラジル人ストライカーたちに恵まれてきた。8月29日の明治安田J1リーグ第4節でJ1デビューを果たしたデリキ・ラセルダも、その一員に名を連ねた。
土曜日に行われたジェフユナイテッド千葉との見応えある一戦、川崎の新たなブラジル人ストライカーは4-2の勝利の中で強烈な第一印象を残している。
この試合、ラセルダはベンチスタートだったが、負傷したラザル・ロマニッチに代わって6分から途中出場。予期せぬ形でリーグ戦のピッチに送り込まれた。26歳のこのフォワード(FW)は、躍動感あふれる51分間のプレーで川崎のサポーターに華々しく自己紹介を果たし、1時間を待たずしてピッチを退いた。
191cmの長身ストライカーがゴールネットを揺らすまでに要した時間はわずか4分。ショートカウンターから脇坂泰斗にボールが渡り、キャプテンはボックス内で構えていたラセルダにパスを送る。97番を背負う男が、自信を持ってゴールへ流し込んだ。
さらに同郷のマルシーニョ、そして脇坂のゴールをお膳立てし、57分に温かい拍手の中でベンチに退いた。
「(ピッチに)入ってから順調にプレーできたのかなと思います」とラセルダ本人は自身のパフォーマンスを振り返った。
「天皇杯の試合でも、彼はかなり良い出来でした」

ラセルダを称えるスベンド・ブローダーセン【写真:Getty Images】
「Jリーグはとても難しいリーグで、勝利で終われたというのはすごく嬉しいです。自分もゴールを決められましたけど、あの2失点は必要なかったですね。そういったところは改善しなければいけない部分だと思います。
ただ、失点した後、チームとしては落ち着いて冷静にフロンターレのスタイルでプレーすることができたので、だからこそ今日はこのような勝利になったのかなと思います」
来日前にしばらく実戦から離れていたこともあり、本来のコンディションに戻るさなかにあることは明らかだったが、それでもラセルダはボールの有無に関わらず直線的な動き出しで千葉の最終ラインをあらゆる形で苦しめた。
「彼がこうした形でリーグ戦デビューできたことを本当に嬉しく思います」と川崎のGKスベンド・ブローダーセンは語った。
「これは自信という意味でも重要なことです。ゴールを決めたりアシストをすれば、次の試合を楽しみにできますし、最初からプレッシャーを感じずに済みますから」
「天皇杯の試合でも、彼はかなり良い出来でした」と、先週半ばに行われた栃木SC戦での先発起用に触れながら続けた。
「特にボールを持ったとき、彼はまっすぐゴールに向かっていきます。それが相手を引きつけることになり、他の選手がパスを受けるスペースを作り出しているんです。これは本当に重要なことですし、今日の1点目は、トップクラスのゴールだったと思います」
山本悠樹もまた、ラセルダのチームを生かすプレースタイルに感銘を受けたひとりだ。中盤でプレーする同選手は新たな点取り屋についてこう話した。
ラセルダがもたらした“予測不能性”

川崎フロンターレの山本悠樹【写真:Getty Images】
「ポストプレーがすごく上手で周りの選手を使える上に、自分で運ぶこともできる。今日は得点も取ってくれたので、その意味ではすごくスーパーだったと思います。彼の周りで良いサポートをしてあげて、決定機を作れるようにしていけると、攻撃の幅としてはもう少し広がるかなと思います」
ラセルダは間違いなく川崎の攻撃に予測不能な要素をもたらしており、競り合う場面では191cmの体格を存分に活かしてジェフの守備を何度も揺さぶり、ボールを受けて持ち上がる際にも多くの脅威を相手に与えていた。
例えば17分には、中へ切れ込む鋭い動きで千葉の選手5人を無力化すると、脇坂へ決定的なパスを通す。シュートはGKホセ・スアレスに阻まれたが、スペイン人守護神のファインセーブがなければもう1アシスト刻まれていたことだろう。
さらに後半開始から90秒後には、千葉の陣地でスローインを受けて飯田貴敬を難なくかわし、ペナルティーエリアへ侵入。囲まれながらもコーナーキックを獲得した。
この夜をどれほど楽しんだか尋ねられると、ラセルダは満面の笑みでこう答えた。
「サッカーを楽しむという点では、私やブラジル人選手だけでなく、日本の選手たちも同様です。私たち全員が、意識的にサッカーを楽しむよう心がけているのです」
また、今後さらにチームに貢献すべく、次のように強調した。