
今回の代表シリーズ、4試合で4得点を記録したサッカー日本代表FW上田綺世【写真:Getty Images】
日本代表FW上田綺世が、4連戦で4得点とゴールを量産している。過去約1年間では8得点を記録し、日本のエースとしての地位をさらに確かなものにした。岡崎慎司、大迫勇也、高原直泰ら日本を代表する歴代FWにも量産期はあったが、上田の得点には少し異なる特徴がある。
「特別なことはしていない」上田綺世、止まらないゴール
日本代表FW上田綺世のゴールが止まらない。
9月24日のウルグアイ戦では途中出場から後半アディショナルタイムに1得点。続くベネズエラ戦では、ハーフタイムから出場して2得点を奪った。
エクアドル戦では公式記録上の得点こそなかったものの、PK戦では1人目のキッカーを務めて成功。そして5日のキリンカップサッカー2026決勝、ニュージーランド戦では先発すると、前半28分にこぼれ球を左足で仕留めた。
4試合で4得点。ただ、上田の得点ラッシュは今回の代表シリーズに限った話ではない。
2025年10月のパラグアイ戦から今回のニュージーランド戦まで、約1年間で8得点。その内訳は、パラグアイに1点、ブラジルに1点、FIFAワールドカップ2026のチュニジア戦で2点、ウルグアイに1点、ベネズエラに2点、ニュージーランドに1点だ。
すでに日本代表のセンターフォワードでは第一選択肢となっていたが、この1年間で「日本のエース」という立場をさらに確固たるものにしたと言っていいだろう。
もちろん、日本代表の歴史を振り返れば、上田以上のペースでゴールを量産したFWもいる。
岡崎慎司は2009年に16試合15得点。香港戦とトーゴ戦では2試合連続でハットトリックを達成した。
大迫勇也は2021年、モンゴル戦で3得点を挙げると、次に出場したミャンマー戦では5得点。わずか2試合で8得点を記録している。
高原直泰も2006/07シーズンにフランクフルトでブンデスリーガ11得点を挙げ、翌夏のAFCアジアカップ2007ではカタール、UAE、オーストラリアを相手に4得点。クラブと代表の双方で結果を残したという点では、現在の上田に近い。
では、上田の「量産」は何が違うのか。
この1年間の8得点は、アジア予選で一つの相手から大量に積み上げたものではない。南米のパラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、ベネズエラ、アフリカのチュニジア、オセアニアのニュージーランドと、地域もスタイルも異なる6カ国から奪っている。そのうちベネズエラを除く5カ国は、2026年ワールドカップ出場国だった。
さらに、好調なのは代表だけではない。昨季はフェイエノールトでエールディビジ25得点を挙げ、今季もフェイエノールト、移籍後のリールで得点を重ねている。所属クラブが変わっても、日本代表に戻っても、コンスタントに結果を残してきた。
今ではゴールを決めることが当たり前のようになった上田だが、代表でのスタートは決して順調ではなかった。
2019年にA代表デビューしてから、最初の14試合はノーゴール。大迫が代表2試合目で2得点を挙げ、岡崎もデビューの翌年、2009年に15得点を量産したのと比べても、上田は結果が出るまでに時間を要した。
「まぁ…僕の代表のキャリアで見ると、初ゴールまですごく時間がかかったので。そこは、必要な時間だったのだろうし。今こうやって、信頼してもらって、試合に出ている以上は、やはり、結果は残さないといけないし。その信頼に応えたいと思うので。おのずと、その積み重ねが結果として残っていけばいいのかなと思います」
2023年6月に初得点を記録すると、その3カ月後にはドイツからゴール。同年11月にはミャンマー戦でハットトリック、シリア戦でも2得点を奪い、徐々に代表での得点ペースを上げていった。
そして今では、ブラジルやウルグアイを相手にしても結果を残し、苦しい展開でもゴールを期待される存在になった。
成長したのは、得点力だけではない。前線で身体を張ってボールを収め、守備でも貢献し、勝負を決めるゴールを奪う。大迫勇也や岡崎慎司、高原直泰――かつて日本代表を支えたエースたちが備えていた、FWに求められるさまざまな要素を、上田も少しずつ自分のものにしてきたように映る。
「別に、自分のやっていることは変わらない。そんなに特別なことはしていないです」
本人にとっては、あくまで同じことの積み重ねなのだろう。ただ、その積み重ねの先で、上田は強豪国を相手にしてもゴールを期待され、プレーと結果でチームを支える存在になった。
歴代の日本代表FWで「最強」なのか。その答えを出すには、まだ早いだろう。それでも、今の上田を見ていると、偉大な先人たちを超えていく可能性を感じずにはいられない。
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