「かなりうまくいった」。そう手応えを語ったのは、今季J1リーグ初先発を飾った浦和レッズのMFサミュエル・グスタフソンだ。V・ファーレン長崎戦では決勝ゴールをアシストし、チームの3連勝に貢献。しかし、本人が強調したのは、個人の技術ではなくチーム全体のポジショニングだった。新たな中盤の組み合わせで臨んだ浦和は、いかにして理想的な戦い方を実現したのか。(取材・文:河治良幸)[1/2ページ]
【2026/27 明治安田J1リーグ第12節】
2026年10月25日 浦和レッズ 1-0 V・ファーレン長崎
(埼玉スタジアム2002)
月額最安値で視聴するならDMM×DAZNホーダイ[PR]
今季初スタメンのグスタフソンが決勝ゴールを演出
浦和レッズがV・ファーレン長崎を1-0で破り、リーグ3連勝を飾った一戦。決勝ゴールを演出したのは、今季J1初スタメンとなったサミュエル・グスタフソンだった。
71分、グスタフソンのスルーパスから、最後はマテウス・サヴィオが右足でゴールネットを揺らす。一度はオフサイドと判定されたものの、VARの確認を経て得点が認められた。
グスタフソンは試合後、「自分たちのパフォーマンスに満足していますし、試合に勝ててうれしいです」と振り返った。
ボールを保持して長崎を押し込みながら、なかなかゴールを奪えなかった浦和だが、グスタフソンはチームの戦い方に手応えを感じていた。
相手が試合開始早々に10人となった水戸ホーリーホック戦、前節のジェフユナイテッド千葉戦では3バックを採用していた浦和だが、この試合では4-3-3に変更した。
グスタフソンが中盤の底を務め、瀬古樹と植木颯がインサイドハーフに入る3人の構成でスタートした。
瀬古とグスタフソンがスタートから公式戦の中盤でコンビを組むのは、今回が初めてだった。それでも、立ち上がりから浦和は前線へボールを送り込み、セカンドボールを回収して攻撃を継続。時間の経過とともに長崎を自陣へ押し込む展開をつくった。
ただ、前半はゴール前まで迫りながらも、相手の守備を崩し切れない場面が続いた。
グスタフソンが重要視していたこと
グスタフソンも「前半を見て、あまりチャンスをつくれていない、と言うこともできると思います」と認める一方で、「チームの中ではいい感覚をつくれていました」と振り返る。
グスタフソンが特に重要視していたのは、攻撃している間のチーム全体のポジショニングだった。
「こういう試合で鍵になるのは、ボールを保持して押し上げていく時に、自分たちの構造を整えておくことです。ボールを失った時や、クロスを入れてボールが外に出てきた時に、それを自分たちのボールにできるようにしておく。
そうでなければ、カウンターを受けたり、マテウス・ジェズスに何かをされたりしてしまいます。それは試合を通して起こりませんでした」
浦和は攻撃に人数をかけながらも、ボールを失った際に素早く奪い返せる配置を維持していた。
長崎にはマテウス・ジェズスという強力なアタッカーがいるだけに、攻撃を仕掛ける一方で、カウンターへの備えを怠らないことが重要だった。
グスタフソンは「そうすることで、クロスを入れて、ボールを奪い返して、またクロスを入れるということを続けられます」と説明する。
中盤の3人を含めた選手間の距離感が、攻撃の継続と守備の安定を支えていた。
そうした展開の中で生まれたのが、71分の決勝ゴールだった。
「得点できたのは偶然ではありません」
相手GKからのロングボールを右サイドバックのダニーロ・ボザが弾き返し、笹修大がヘディングで落としたボールをグスタフソンが受けると、一度FWの小森飛絢に預けてリターンパスをコントロール。長崎の守備陣が縦に間延びした隙を突いて前方へ持ち出すと、最終ラインの背後へ走り込んだサヴィオに絶妙なスルーパスを通し、決勝ゴールが生まれた。
「セカンドボールの場面でした。自分たちがボールをコントロールできて、僕が前に運ぶことができました。先ほどの話にもありましたけど、前半はそれほど大きなチャンスをつくれていなかったかもしれません。
ただ、自分たちは試合の中でやれていましたし、最終的に得点することができました。得点できたのは偶然ではありません」
この場面について、パスを受けたサヴィオもグスタフソンの技術を高く評価していた。
普段はライン間でコンビネーションを使うことが多い2人だが、今回はグスタフソンの周囲にスペースがあり、ボールを持ち出したことで、サヴィオが背後への動き出しを選択したという。
サヴィオはグスタフソンから狙いどおりのパスが届いたことを振り返り、シュートを打つ際にも、より良い角度をつくるためにボールを持ち出したと説明している。
グスタフソンの技術とサヴィオの判断がかみ合ったゴールだった。
また、グスタフソンは若い選手との関係性についても語った。



