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ナポリはなぜ失速した? スパレッティ監督あるあると25分のワンプレー【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)最新ニュース

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、ミラン対ナポリが現地時間12日に行われ、1-0でホームチームが勝利している。今季CLの優勝候補とも称されたナポリだが、ここにきてやや不調。ミランには先日のリーグ戦に続き敗北を喫している。いったい何が。(文:小澤祐作)


優勝候補のナポリが完封負け…


【写真:Getty Images】

 0本:8本。これは、20分時点の両チームのシュート数である。前者がホームのミラン、後者がアウェイのナポリだ。

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 ミランはビルドアップ時、ボランチのラデ・クルニッチをセンターバック間に下げることで後ろを3枚の形にしていた。それに対しナポリは4-4-2でセット。基本的にはエリフ・エルマスが左CBのフィカヨ・トモリ、ピオトル・ジエリンスキがクルニッチを監視し、クビチャ・クワラツヘリアが右サイドバックのダビデ・カラブリアを背中で消しながら右CBのシモン・ケアーを見ていた。この形が序盤はハマり、高い位置でことごとくボールを奪えたことで、ナポリは上記のデータ通り、多くのフィニッシュに繋げることができていた。

 しかし、GKマイク・メニャンの好セーブなどに遭い、肝心の得点は奪えず。すると、「試合開始早々に苦戦を強いられ、ナポリは1分後に得点できたかもしれない。でも、ゲーム中に流れが別のチームに切り替わる時間帯がある。このレベルのサッカーはそんなものだよ」と試合後にケアーが話した通り、ある1つのチャンスをキッカケに、ミランに勢いが生まれてしまった。

 そしてナポリは、そんなミランの勢いに飲み込まれるかのように、40分に痛恨の失点。その後、少し余裕をもったミランを前になかなか効果的な攻めを繰り出せずにいると、追い討ちをかけるようにアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサが退場と、どうにも立て直すことができず。結局、序盤の決定機を生かせず、ワンチャンスを仕留められたことで、0-1の敗北を喫することになった。

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