セレッソ大阪の香川真司【写真:元川悦子】
セレッソ大阪に復帰して今季で4年目を迎える香川真司。百年構想リーグという特殊な舞台で、彼が向き合っているのは目の前の結果だけではなく、クラブの体質そのものだ。36歳のベテランは、その役割を自覚しながら、セレッソを「勝てる集団」へと変えるべく、真正面から挑もうとしている。(取材・文:元川悦子)[1/2ページ]
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「いつも同じようなことの繰り返し…」
セレッソ大阪の香川真司【写真:元川悦子】
2月6日の2026年J1百年構想リーグ開幕が刻一刻と迫りつつある。
「チームにタイトルをもたらす」という強い決意を胸に古巣・セレッソ大阪に復帰してから4年目を迎える36歳の香川真司は“勝負のシーズン”に突入することになる。
香川が戻ってきてからのセレッソは、2023年が9位、2024・2025年が10位。中位をウロウロする状況が続き、J1優勝争いから早々と脱落する展開が続いた。
2025年のJ1王者に輝いた鹿島アントラーズに苦杯を喫した昨年9月23日の試合後には「いつも同じようなことの繰り返し。3年間、ずっと一緒ですよ」と怒りをにじませる一幕もあった。
「選手は目の前の試合に向けて一生懸命やるだけ。それはプロとして当然で、目標とか方向性はクラブが道筋を示すこと。その部分で今回は鹿島と大きな差が出ましたね。
悔しいけど、これは認めざるを得ない結果だと思います」と厳しい表情で語っていただけに、「2026年こそは『セレッソを勝てる集団』に変貌させる」と燃え上がっているに違いない。
「まずはこの半年をどう戦うか…」

セレッソ大阪の香川真司【写真:元川悦子】
そのために、彼はオフもほとんど休まずに体を動かし続けた。かつて日本代表で共闘した長友佑都、鎌田大地と地元・神戸で自主トレを実施。浜辺を走り込んでフィジカルを鍛え上げ、新たな年を迎えた。
そして17日からは宮崎キャンプに参加。年齢を感じさせないキレと鋭さを前面に押し出しているのだ。
「J1百年構想リーグは変則的な大会で半年しかない。次の26/27シーズンを含めて『1年半』と捉えてもいいかもしれないけど、まずはこの半年をどう戦うかが重要。僕自身は夏以降のことは頭にないし、西日本でホーム&アウェーでチームを勝たせることしか考えていません。
ヴィッセル神戸やサンフレッチェ広島がACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)、ガンバもACL2があって、決勝トーナメントに向かっていくことを考えると、セレッソには大いにチャンスがあると思います」とエースナンバー8をつける男は高い目標を掲げ、チーム全体に共有させようとしている。
大ベテランである以上、自分の発信力がチームの成否を大きく左右することを、彼はしっかりと自覚しているのだ。
「どれだけ忍耐強く戦えるか…」
セレッソ大阪の香川真司【写真:Getty Images】
「やっぱり1人1人が大きなプレッシャーをつねに感じながらやれる環境を作らなきゃいけない。それはクラブの大きな責務。僕ら経験あるベテランはそれを実行するために重要な役割を担わなければいけない。自分もそれは自負しているところです。
今のセレッソはボールを支配して攻撃的に行くスタイルを志向してますけど、どんなサッカーであれ試行錯誤は必要。キレイなサッカーで90分間で勝てるなんて絶対にないですし、厳しい時間帯を耐えなきゃいけないことも当然ある。
格上と対峙すればよりそうなりますよね。そういう時にどれだけ忍耐強く戦えるかが本当に大事になってくる。そういうところを研ぎ澄ませていきたいですね」と香川はセレッソに足りないメンタリティを植え付け、しぶとく逞しく戦えるチームへと変えていこうとしているのだ。
宮崎キャンプでのテゲバジャーロ宮崎などとの練習試合を見る限りだと、そのあたりはまだ発展途上と言うしかない。昨季から指揮を執るアーサー・パパス監督が「セレッソは点も取れるけど、失点も多い」と口癖のように話していた通り、失点減というのが思うように進んでいないからだ。