
日本代表戦後のオランダ代表の選手たち【写真:Getty Images】
FIFAワールドカップ(W杯)北中米大会のグループステージ第1節で、日本代表はオランダ代表と2-2で引き分けた。日本はなぜ高い位置からプレスをかけきれなかったのか。フィルジル・ファン・ダイクに許した失点は防げたのか。清水エスパルス、ガンバ大阪、FC東京、名古屋グランパスなどを率い、G大阪では2014年に国内3冠を達成した長谷川健太氏に、オランダ戦の内容を振り返ってもらった。 (文・内藤秀明)[1/1ページ]
オランダ代表から「リスペクトを感じた」

オランダ代表の選手たち【写真:Getty Images】
まずは内容面について長谷川氏は「オランダの方が自分たちのサッカーをしたんじゃないかなと思います。日本が日本のサッカーをさせてもらえたかと言えば、そうではなかった」と話す。
具体的に日本はどう苦しんだのか。長谷川氏は、「本来なら日本代表はもう少し高い位置からプレスをかけたかったと思います。ただ相手の立ち位置がすごく良かったですね。日本のプレスにはまらないような立ち位置を取ってきた。特に右サイドでは、日本に捕まらないようなポジションを取っていたと思います。オランダも日本を分析して戦ってきたと感じましたね」と自論を語った。
現代サッカーにおいて、対戦相手に応じて戦い方を変えるということは当たり前のことかもしれない。とはいえ一昔前までのワールドカップでは、一方的に支配される展開の試合もあっただけに、日本が対策すべき相手と見なされていたことに、オランダのリスペクトが感じられる。
これを長谷川氏に尋ねると「(リスペクトを)感じましたよ。日本代表がこれまでブラジル代表に勝ったことや、イングランドにアウェイで勝ったことで、オランダも警戒していたんじゃないかなと思います」と語っている。
ファン・ダイクに許した失点は『しょうがない』のか

先制点決めたオランダ代表DFファンダイク【写真:Getty Images】
今回は価値のある勝ち点1だったと言えるが、今後勝ちを掴むためには失点を減らしたいところ。しかし今回の2失点のうち、51分に喫したファン・ダイクのゴールに関しては、「もうしょうがない」と長谷川氏は語る。
自陣深い位置からのセットプレーのこぼれ球を拾われた後のクロスから失点した場面について「セットプレーの段階では二人でファン・ダイクを挟むとかきちんと警戒できていたんでしょうけど、セカンドボールを拾われた後にクロスを入れられたタイミングでは、(日本代表DF)渡辺剛が一人でファン・ダイクをマークする状態になってしまっていた。しかも背後を取られていたこともあり、少し抑えながらヘディングされてしまった」と失点を分析する。
どのような守備対応なら防げたのか尋ねると「ボールと相手を直視できるゴール側から守るのがセオリーではあるんですが、セットプレーから一度ボールが流れた後なので、チームの一員として渡辺もDFラインを上げる必要がありました。なので一人だけ下がった位置をとるということはできない。
そうなると渡辺とファン・ダイクの背後にいる日本の選手が、絞って対応する必要がありますが、他の選手のマークについていたのでそれも難しい。なので、あの失点シーンは、質の高いクロスを上げた(ライアン・)フラーフェンベルフと、それをきっちり決めたファン・ダイクを褒めるしかないですね」と語った。
失点シーンはつい責任者探しをしたくなるものだが、あの場面は、守備側のミスだけで片づけるよりも、クロスとフィニッシュの質を評価すべき失点だった。 いずれにしてもそんな相手に対して勝ち点1を持ち帰れたのは非常に大きい。
(文・内藤秀明)
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