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Jリーグ 10年前

V・ファーレン長崎 貧乏クラブ奇跡の躍進。ローリスク・ローリターンの補強と独自のサッカースタイル

text by 藤江直人 photo by editorial staff

「ウチにはお金がないので、正直、ある程度計算ができる選手を取れなかった」

「僕は3バックでやろうと思っていたので、3バックを経験している選手を多く取りました。4バックしか経験していない選手だと違和感を覚えるので、そこで時間を費やしたくなかった。

 ミシャさんの広島や浦和の練習を何度か見学して、話をさせてもらった中で影響を受けたし、熊本の監督時代には半年ほど3バックを採用して、手応えとしてつかんでいたものもあったので」

 フォーメーションは3-6-1。その上で、最終ラインを含めたフィールドプレーヤー全員にボールホルダーをどんどん追い越し、複数のパスコースを常に作るための走力を求めた。横浜FC、東京ヴェルディ、ロアッソ熊本を率いてJ2を戦った経験値から、J2では突出した個に頼るよりもフィジカルが雌雄を決することが分かっていた。

 もっとも、走力を重視した理由はもうひとつある。Jリーグ準加盟承認から4年越しで悲願を実現させた長崎の財政事情は、決して恵まれていなかった。高木監督は言う。

「ボールをキープする、いいパスを出す、点を取るといった選手の特徴は、僕はある意味、お金で買うものだと思っている。要はそういうプレーができる選手を補強することですけど、ウチにはお金がないので、正直、ある程度計算ができる選手を取れなかった。

 ならばお金がかからない強化策は何かと言えば…(続きは『サッカー批評issue67』にて、お楽しみ下さい)

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