アビスパ福岡、再建への道。経営危機に直面したクラブを救った地元企業「ふくや」

昨年末、選手・スタッフへの給与遅配が起きるなど、アビスパ福岡は深刻な経営危機に陥った。3月10日発売、最新号の『サッカー批評issue67』(双葉社)では、アビスパの危機を救った地元企業のひとつ、辛子明太子の老舗、株式会社ふくやと、経営再建を目指して新たにアビスパ福岡の社長に就任した野見山篤氏などを取材した。一部を抜粋して掲載する。

2014年03月12日(Wed)15時14分配信

text by 海江田哲朗 photo Tetsuro Kaieda
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【サッカー批評issue67】掲載

売上のすべてを寄付。ふくやの「アビスパ応援ギフト」

 昨年10月16日、西日本新聞は次のように報じた。

アビスパ福岡、再建への道。経営危機に直面したクラブを救った地元企業「ふくや」
ふくやの支援部・網の目コミュニケーション室の宗寿彦氏【写真:海江田哲朗】

〈サッカーJ2のアビスパ福岡が経営危機に直面していることが15日、明らかになった。スポンサー収入の大幅な減少などで、資金繰りが11月末には滞り、運営資金約5000万円が不足。12月にも社員や選手の給与遅配が起きる事態となっている〉

 記事は5月頃からアビスパの経営が悪化していたこと。さらにクラブライセンス剥奪の可能性にも言及していた。

 どうにか資金ショートを回避し、最悪の事態は免れたが、大塚唯史社長は11月末で引責辞任。下田功専務も残務処理を終えたのち、退いた。

 このときアビスパの支援に乗り出した地元企業のひとつに、株式会社ふくやがある。辛子明太子の元祖と知られ、福岡の食卓にはなじみ深い。

 ふくやの支援部・網の目コミュニケーション室の宗寿彦さんはこう語った。

「まぁ、最初に聞いたときはびっくりしましたね。資金ショートというのは一般の会社では倒産ですから。弊社の統括部長、川原武浩はアビスパの社外取締役を務めていますが、守秘義務がありますので内情は知らされていませんでした」
 
 10月31日、ふくやは支援企画を発表する。発送用に「アビスパ応援『うれしいギフト』満足セット・笑」(3000円)目標数1000個。店頭発売用に「いか明醤でアビスパ応援」(500円)目標数4000個。

 目標額は500万円に設定した。利益分を寄付するのではなく、売上げをすべて支援金として届ける。これを提案した川原統括部長は、ふくやの代表取締役社長の川原正孝の甥にあたる人物だ。

 会議で支援計画を聞いた川原社長は「おう、いけ」と短くひと言。そして、「あのときとまったく同じ状況だ」と宗さんたちに昔話を聞かせたという。

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