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柏レイソル、2015補強診断。失った芯を取り戻し、逆襲の年。吉田新監督のもと再びタイトル目指す

text by 編集部 photo by Getty Images

芯を失い、失速した昨季中盤。今季は反省活かす

柏レイソル、2015補強診断。失った芯を取り戻し、逆襲の年
エース工藤壮人も復調傾向にある【写真:Getty Images】

 昨季開幕前、各所で優勝候補と予想されながら4位に終わった柏。序盤は8試合を終えて2勝5分1敗と、勝ち切れない戦いが続いていた。

 当時新加入だったレアンドロは徐々にその力を発揮し始めていたが、エースとして活躍が期待された工藤は開幕戦でゴールを決めて以降不発。レアンドロ・ドミンゲスも第5節大宮戦を最後に柏の選手として出場することはなかった。

 そして、前半戦チームトップの5得点を挙げていた田中順也がポルトガル移籍を決断。加入したばかりで、中盤の柱として成長が期待されたハン・グギョンも半年でカタール移籍。攻守の柱を一度に失い、方向性を見失ってしまった。

 選手構成の見直しが迫られる中、第26節のFC東京戦に敗れたことで優勝争いから脱落してしまう。圧倒的な強さを見せていたホームに対し、アウェイでわずか2勝しか挙げられなかったことが響いた。特に9月のアウェイ戦3試合は全敗で、ACL出場権獲得すら危ぶまれたほどだった。

 さらに追い打ちをかけるようにネルシーニョ監督がシーズン終了とともに退任することが明らかになった。しかし、チームはこれに発奮。「ネルシーニョ監督のために」という共通の目標ができたことで全員が一丸となり、第28節鹿島戦以降、破竹の7連勝でフィニッシュ。最後の最後にACLへの切符をつかみ取った。

 激動のシーズンを終え、新監督には長年アカデミーの監督やトップチームの強化を担ってきた吉田達磨氏が就任。

 27人体制のトップチームにおいて下部組織出身者が15人を占めるなど、吉田新監督のスタイルを習得するのに時間はかからないだろう。さらに、昨季の反省を踏まえて今年は甲府からクリスティアーノを獲得し、オランダでプレーしていた大津祐樹も復帰させた。昨季前線で孤軍奮闘したレアンドロに加え、エース工藤壮人も復調傾向にある。

 昨季はメンバー変更やけが人続出などの事情でチーム作りに時間を要したが、今季は開幕からエンジン全開の柏が見られるに違いない。

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