「ガルシア監督は何度も文句を言って“ローマ人”になっている」

チェ　けが人も多くて、コンディションの良くない選手が多くて、今シーズンは厳しいね。次は、最初にちょっとだけ触れたデ・ロッシの話。彼とトッティは地元出身でローマのレジェンド。問題なのは2人ともサポーターにとって神様だけど、コンディションが悪くても無理やり使われていること。

　この前、ナインゴランはインタビューで『できれば今度は10人でプレーしたくない』と言った。誰のことだ、となったけど、その時はトッティかデ・ロッシのコンディションが良くなかった。

　最近よく比較されるのは、ユベントスのデル・ピエロ。スタメンで使えないとわかったら、ベンチに入れるのも問題になるし、契約を終わらせて『お疲れ様でした』。ローマはトッティにそういうことできないね。

八　僕が象徴的だと思ったのは、デ・ロッシがチェゼーナ相手に1点決めただけで、チームメイトがワーッと駆け寄って優勝したくらいの感じで喜んだ。ちょっと崩壊しつつあって、優勝も遠ざかっている、ELもダメ、下からの突き上げもあってひょっとしたらCL出場圏内から落ちるかもしれないという中で、デ・ロッシが得点を決めるだけでチームがあんなに一体感を持つ。

　彼の影響力はすごいなと思ったよね。少々コンディションが悪くても、この人を生かさない手はないのかな。コンディション不良で外すよりも、監督は上手い使い方を常に考えた方がいいよね。デ・ロッシは切り札だよ。

チェ　それは監督のスキルね。ガルシアは昨シーズン、ローマだけでなくイタリアで神様だった。格好よくてクールで、いいサッカーを見せて、面白いことが言えてメディアと話すのも上手。ローマは情熱的な環境だけど、クールな彼がバランスを取ってうまくいった。

　今シーズン彼は何度も審判やメディア、イタリアサッカーについて文句を言って、“ローマ人”になっている。それが問題じゃないかな。サポーターにもメディアにもかなり批判されているね。勝てないとすぐそんな感じになってしまう。