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日本代表 9年前

ハリルJ、必然の敗北。言い訳にならない“決定力不足”、成立しなかった堅守速攻プラン

日本代表は2日、東アジア杯で北朝鮮と対戦して1-2で敗れた。前半早々に武藤雄樹のゴールで先制したが、北朝鮮のロングボールを駆使した戦術を前に、試合終了間際の2失点で逆転を許してしまった。人選やゲームプランなどが機能しなかった日本にとって、敗戦は必然ともいえる結果だ。

text by 西部謙司 photo by Getty Images

決定力不足は言い訳にならない試合

ハリルJ、必然の敗北。言い訳にならない“決定力不足”、成立しなかった堅守速攻プラン
就任後初黒星を喫したヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 負けて当然の試合だった。武藤が早々に先制したのは良かったが、その後は北朝鮮がボールを支配した。北朝鮮は後半から浮き球を多用する攻撃に的を絞り、長身のパク・ヒョンイルを投入すると、いずれもハイボールから2点を奪って逆転している。

 確かに日本にも決定機はあった。前後半に4回ずつぐらいあったうちの2つを決めていれば勝っていた。しかし、チャンスを決められなかった時点で日本のプランはダメだったということになる。

 日本は堅守速攻型のプランでスタートしている。川又、武藤、宇佐美、永井のアタッカー4人はカウンターからの得点を期待されている人選だ。北朝鮮にボールを支配されたのは、早く先制したことやコンディションの問題もあるが、編成自体がカウンターを前提にしたものだったからだ。だからボールを持たれたのは大した問題ではない。

 ただし、それは堅守速攻プランが上手くいっていればの話である。

 縦に速い攻め込みを狙う以上、ボールは相手に支配されやすくなる。速く攻めれば速く失うからだ。相手に支配されれば必然的に攻撃回数も少ない。それでも速く攻め込めばアタッカーは個人技を発揮しやすい。細かいコンビネーションなしでも点をとれるというメリットもある。つまり、アタッカーが決定機に強い、スペースさえあれば個で点をとれることが、このやり方を採用する条件の1つなのだ。

「何回か決定機がありましたが決められませんでした」。これは言い訳にならない。

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